私には小学校の時に常に行動を共にする洋美と勝広がいた。
学校行くのも一緒、4年まではクラスも一緒、クラス替えがあっても、休み時間が一緒、帰り道も一緒というなんとも一緒一緒な3人だった。
ある日の学校の帰り道、些細な事で私と勝広が喧嘩になった
勝広に肩を突かれて怒った私は、勝広のお腹に蹴りを入れてしまい、悶絶して座り込んでいる勝広に
M「勝が悪いんだからね!」
と、蹲る勝広に文句を言って洋美の手を握ると走って帰ってしまった
帰り道、蹲る勝広の姿が頭から離れなくても、でも、自分のせいじゃない!勝が悪いんだもんとグルグル考えていると
洋「勝広大丈夫かな…」
って言うもんだから、堰を切ったように私は泣き出してしまった
洋「私も一緒に謝るから、仲直りしよ…?」
うん…うん、本当は勝広大好きだし、なんで蹴ったりなんかしちゃったんだろうと後悔ばかりしていた
洋「勝広が私の家の前を通るまでに時間あるから、ランドセル置いてM、私ん家に来とく?」
鼻を啜りながら「うん」と頷き、私は家に帰るとランドセルを置き、お小遣いを握り、洋美の家に走った。
洋美の家は、小さな商店をやっており いつもそこで算盤や、書道教室の行き帰りにおやつを買うのが当たり前だった。
洋美の部屋は道路に面していたため、いつもノックだけして店に入ると洋美が来るといった感じだ。
M「あ、今日チューチューのコーラ味が入ってる」
駄菓子が並ぶ中、走って喉が渇いた私は、当時20円だったか、当たり付きのオレンジ、コーラ、メロン味のチューチューを駄菓子を買う時必ず買い、ジュース代わりに飲んでいた。
洋「うちオレンジがいい」
と、2人で買い物を済ませると外に出て勝広を待った。
M「うち、勝広の分もチューチュー買っとく」
ごめんね、って言いやすいように、勝広もチューチューは大好きだし、と、そんな事を洋美と話しながら再び店に入ってチューチュー以外にも勝広の好きそうな駄菓子を1つ買おうとアレコレ悩んでると
「100年殺しーっ!!」
と、外で大きな声が聞こえたと同時に洋美の
「ギャアァァァァ━━━━━━━━━━━━!!!!!!」
と叫ぶ声が聞こえた
慌てて外に出ると、お菓子を握ったまま、片手でお尻を押さえてる洋美と、びっくりした顔の勝広がいた。
M「勝!さっきはごめんね…」
話している間に勝広は猛ダッシュで帰ってしまった。
M「どうしたの?」
半座りみたいな体勢の洋美に聞くと、勝広に100年殺しという技の親指カンチョーをされたと言う
私は爆笑してしまい、私と洋美の後姿を間違えたんだねって話してたら、洋美は涙目で
洋「あれ…カンチョーじゃない…ちょっとズレて…」
と、ブロック塀に突っ伏してしまった
えーと…
かける言葉が見当たらず、可笑しいやらごめんなさいやら、バカ勝広と文句言ったりしながら、洋美が顔を上げるまで1人で色々訳の分からないことをいってた覚えがあります。
それから帰りに勝広の家に寄り、「ごめんね」を言っておやつを渡し仲直りすると、洋美の100年殺しなんでしたん?って聞き、案の定私と洋美の後姿を間違えてカンチョーしたと言ってました
洋美、優しい洋美ごめんね、仲直りのチャンスを作ろうとしてくれたのに、迷惑被らせてごめんね
ドリフ、加トちゃんケンちゃん世代ならわかる笑えるカンチョー、今思うと洋美が受けた位置のズレた100年殺しは…と、自分じゃなくて良かったと思うのでした
怖い話ではないのですが、大人になって思い出すとある意味怖い話でした
作者MEG
またまたお引越し話ですがよろしくお願いします、早く終わらせてみんなの読みたいです
子供って…邪気がないから無邪気と言うけれど
知らぬと言うことは罪な事よのぅ…
まったくだ