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中編3
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丑三つ時の悪夢

これはある人が体験した夢の話。

その人は度々悪夢にうなされて夜中に目が覚めるという。

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その悪夢というのが、夜の森の中にポツンと自分1人で立っている。そして前を見ていると無数の兵隊が追いかけて来る。

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そして兵隊に捕まるところで目がさめる。

目がさめる時間はこの日は2時10分だった。

当然夜中に悪夢で目がさめるので朝の目覚めは良くない。

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次の日、その日は8月の日。熱帯夜だった。

暑くてとても眠れない。クーラーをつけて寝ることにした。

するとまた、

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森の中に自分1人。

「まただ..。」

そして昨日のように兵隊が来る。夢ということは分かっている。しかし、夢の中の自分をコントロールできない。

そう、体が動かないのだ。

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昨日は兵隊に捕まるところまで見た。

しかし、今日の夢は違う。

捕まって、どこかに連れて行かれるのだ。

そのどこかというのは、自分の部屋。

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そして、また目が覚めた。

夜中の2時11分だった。

そして次の日。

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今度は自分の部屋にいる。

兵隊が現れる。

「おかしい、昨日や一昨日は森の中にいたはず。」

そして目の前にとんでもないものが飛び込んできた。

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目の前には、眠っている自分がいる。眠っている方の自分に兵隊が刀や銃で攻撃しているのだ。

当然条件反射的に止めにかかる。

しかし、体が動かない。

また目が覚めた。2時12分だった。

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こんな日が何日も続き、その人はお寺に行って状況を住職のお坊さんに全て話した。

するとお坊さんは

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「なるほど。それはあなたの部屋に問題がありますよ。」

そう言われた。

「問題?どんな問題でしょうか?」

「あなたの住んでいる部屋はおそらく兵隊が死んで埋められた場所なのでしょう。」

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「ええっ!?」

・・・・・・・・・・・・・

そしてその日の夜。自分の布団の横に自分の頭を挟む形で盛り塩を置いて寝た。

すると、

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いつものように夢を見た。

しかし、今回の夢は少し違った。

兵隊が現れるのだが、自分の体が動く。

対抗できる。体がコントロールできる。

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よく見ると、自分の足元に盛り塩が二つあった。

その盛り塩が徐々に茶色く変色していくのだ。

兵隊に対して武器を何も持ってないため、もちろん夢の中とはいえ殺される。

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そして、いつも通り目がさめる2時30分だった。

左右を見ると盛り塩が茶色く変色していた。

「夢ではない。」そう思った。

そして再び住職のお坊さんに話を伺った。

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「よかったですね!助かりましたよ!」

「えっ?」

目覚めた時間が2時30分だった事をお坊さんに聞かれた。

丑三つ時、それは2時から2時半までの時間帯。

最も幽霊が出やすい時間帯と言われている。

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そう、この人が見た夢は丑三つ時に供養されなかった兵隊の霊が夢の中に出て来るというものだったのだ。

しかし、この夢は盛り塩や供養をする事で防ぐことができる。

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このような夢は誰でもみる。

夢は決して夢だけじゃないのかもしれない。

そして間も無くしてその人は引っ越した。

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