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中編4
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呼ばれる 1日目

前回、『オーバーオールのうさぎ』というタイトルの話を投稿させていただきましたが、思ったより見てくださる人がいたので、今回も体験談を書かせて頂こうと思います。

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これは、私が中学1年生の時に体験した実話です。

私の通っていた中学では、1年生の5月に初の行事として2泊3日の宿泊オリエンテーションがあります。

新しい環境に慣れるため、友達作り、クラスの人との交流を深める、そんな意味合いでこのオリエンテーションが行事として組み込まれているようでしたが、学区的に学年の9割が同じ小学校出身の人でほぼ友達状態だったため、友達作りには励みませんでした。

宿泊先は群馬県のとある山の中にあるロッジで、そこから少し離れた所にキャンプ場や運動場、野外炊事場等があります。

施設は説明しづらいのですが、山の中に小さな山があるようなイメージで、運動場を頂点として螺旋状に坂を下っていくと、野外炊事場、キャンプ場の順になっています。

坂はかなりの傾き加減で、大体100~150m程あると看板には書いてあった気がします。もちろん、螺旋状になっているということで、側面はほぼ崖のようになっています。

1日目の夜にナイトウォークがあり、夜、各クラスごとに先頭の担任のみが懐中電灯を1つ持ち、この3つの施設を散策するという、今となっては何のために行われたのか分からないプログラムがありました。

ただ当時はまだ脳内お花畑の子どもだったことから、夜外を出歩くことにワクワクしていたのを覚えています(笑)

ナイトウォーク出発時点では、先頭が担任、その後に適当に2列で1クラスがまとまって歩くという感じでスタートしました。

コースはロッジを出て1番下にあるキャンプ場を1周、螺旋状に坂を上り野外炊事場を1周、さらに螺旋状に坂を上がり運動場を1周歩いて坂を下りロッジに戻るというコースです。

私たちの学年は6組まであり、1組毎に15分ほどの間隔を開けて出発し始めました。

私のクラスは1番最後の組で、クラスの先頭気味な所に並んでいましたが、後ろにいる男子がちょっかい出してくるのがうざく、途中で1番後ろに行きました。

なので、私の後ろに人がいるという状況が絶対にありえない状況で事が起こります。

最後尾まで移動したのが丁度真ん中の野外炊事場を歩いている時で、そのまま運動場まで上がっていき、1周歩いている途中で突然後ろから

『○○(私の名前)ちゃーん』

誰かに呼ばれました。

しかし、確かに最後尾に移動したので私の後ろには誰もいないはずなのですが、もしかしたら歩くのが遅い子がいたけど気づかなかったのかな??とか、他のクラスで具合が悪くてロッジで休んでいたけど途中で合流しに来た子がいたのかな??と深く考えていませんでした。

誰に呼ばれたのか確認するために、私はその場にとどまり声の主を待ちますがいくら待っても誰も来ません。

運動場は広いし、山の中だから前から呼ばれたのが後ろから聞こえたように錯覚しただけかなと思い歩き始めようとした時、確実に後ろから、耳元付近で

『ねぇ、待ってぇ〜』

そう囁かれました。

一瞬で全身に鳥肌が立ち、反動で振り返ると、後ろの遠く離れた所に人の形をした白いモヤが上下に動いていました。

何だろうと目を凝らしますがはっきりとは見えず、そのモヤの方に近づいていきました。

運動場などの施設自体、夜間に使われることがないので電気類はほぼ無かったのですが、なぜかそのモヤに向かって1本道を照らしているように明るかったような気がします。

モヤがはっきりとは見えそうだなと思った時、ガッと後ろから手を引かれ尻餅をつきました。

『お前、死ねてぇのかっ!!!!!!!』

そんな怒号が頭の上から飛んできて何事かと思い見上げると、散々ちょっかい出してきた男子と数人の女子の友達がいました。

訳が分からず、とりあえずモヤの話をしてみると、

男『目の前見てみろよ!!!!そのまま進んだら落ちるぞ!!!!!!』

尻餅を付いたまま前を向くと、あと数歩歩いたら崖のようになっている斜面に落ちるところだったのです。

それに気づいた瞬間から冷や汗が止まらず、足も震えていましたが、とりあえずクラスのみんなが待ってるからということで、女友達に支えてもらいながらキャンプ場まで降りて行きました。

クラスの列に合流すると、担任にめちゃくちゃ怒られましたが、理由を説明しても訳の分からん言い訳をするなと、流されてしまいました。

部屋に着き、相部屋の子から本当に何があったのかを聞かれたので、ありのまま体験したことを話しました。

その時は信じてもらえたか分かりませんが、とりあえず大変だったねと言ってその日は就寝しました。

しかし、今回もこれだけでは終わらず2日目の夜に泣くほど怖い思いをしました。

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今回も長くなるので、分けて書こうと思います。

少しでも続きが気になった方は『呼ばれる 2日目』をお読みくださいm(_ _)m

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