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正義とはなんだと思いますか?

中編5
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正義とはなんだと思いますか?

私は正義だ。

幼い頃から母子家庭で育ち、女で1つ私を育ててくれた母親に感謝と尊敬をしている。

その母親が常に言っていた言葉が、

’ 人に優しく、心が広い女性になりなさい’

そんな家庭で育ち、私は女性弁護士を目指し、大学に通っている女子大生だ。

悪は許さない。

正義感を持ち、心を広くし、いつでも優しくが私のモットーであった。

正直そんな私が好きだった。

自分に自信があった。

だが、私の理念が否定された出来事があった。

皆様はどう思うであろうか?

考えながら聞いて欲しい。

通学で使っている電車での話し。

満員では無いが、座席は埋まっていて、

立っている方がちらほらいる状態だった。

駅に止まり、扉が開く。

すると遠くからとてつもない奇声が聞こえてくる。

乗客含め、私もなんだ?

と視線が駅のホームに向かう。

その奇声が段々と近付いてくる。

扉が閉まる瞬間に滑り込むように駆け込み乗車をしてくる人がいた。

あー。なるほど。

奇声の主は障害者の方だった。

30代ぐらいの男性だろうか。

こういう表現も悪いが、見ただけで、知的障害者と分かるような風貌をしていた。

電車に入ってきてからも奇声はやまない。

耳が痛くなるほどの奇声だ。

「ぎゃーーーー!!!あぶなかったなぁーー!!!

乗れた乗れた!!!セーフ♪セーフ♪

びゃああああああああ!!!!」

このような感じで永遠にループするよう感じで叫び狂っていた。

周りの乗客も正直なにをするか分からないような相手。目線も向けずに、気にしないふりをしていた。

しかし、私も含めそろそろ限界だった。

ある者は座席を立ち、別車両へ。

ある者はわざと降りない駅に降りて、また別車両に乗り込む。

失礼な事だが、仕方がない。

でも障害者だから仕方がない。

彼だってこのような事をしたくてしてる訳ではない。

こうなりたくて生まれてきた訳ではない。

広い心を持ち、自分にいい聞かせ、私はその車両に留まっていた。

その時だった。

「おい。お前うるせんだよ。ぶっ殺すぞ。」

若い感じの堅が良い大男が声をかけた。

え?ってな感じで乗客全員が2人に注目をしている。

しかし、大男の問いかけは聞こえないのか、理解できないのか相変わらず叫び狂っていた。

すると、大男は信じられない行動に出る。

顔に数発、腹に1発殴り、蹴りを入れ。

馬乗りになり首を締め始めた。

「ぐっぐぐぐ……。う……ヴヴ……。」

奇声から苦しそうな唸り声に変わる。

大男は本当に殺そうとしている勢いだった。

この状況にも関わらず、

誰も止めようとしないため、私が止めに入ろうとすると。丁度駅に着いた。

大男が力を緩めた瞬間

「うぎゃー!!!!!!!」

大男が一瞬怯んだ瞬間、振りほどき

助けを求めるように物凄い勢いで電車から降りて行った。

騒がしかった車内がシーンと静まり

何事もなかったように電車が動き始めた。

車両全員が、大男を気にするように、緊迫な状況に陥っていた。

大男はというと人間とは思えない

冷たい目でその場に立ち尽くしていた。

「な……、なんて事をするんですか!!??

今のは暴行罪です。現行犯で逮捕できるんですよ!!??」

沈黙を破ったのは私だった。

大男は私に気にする様子がない。

「目撃者もたくさんいます!現行犯として逮捕します!」

私は大男の手を掴み後ろに回し、よく警察官が犯人を逮捕する時のように関節技を決めようとした。

しかし、非力な私には簡単に振りほどかれてしまい、とても1人では何もできなかった。

「だ、誰か……助けて下さい!協力してください!

皆さんも見てたはずです!早く!」

私は気が動転して少しパニックになっていた。

しかし

周りの乗客は1歩も動こうとしない。

視線すら合わしてくれない。

我関せずという感じで、私だけがパニックになっている状態。

寧ろ、大男に対して、良くやった。

という雰囲気まで感じ取れる状況だった。

「貴方達、なんでですか!!??

暴行罪です!!??寧ろ殺人未遂です!?

何でほっとくのですか!??」

誰も反応しない中私は1人叫んだ。

泣きながら訴えた。

悪は許さない。

悪は大男。

障害者の方はなにも悪くない。

私は納得いかず、1人泣き崩れていた。

そして、人間の残酷さ、非情さに、心の底から怒りを感じた。

皆様はどうだろうか?

もしこの場に出くわしていたら、どうするでしょうか?

こいつら見たいに、見て見ぬ振りをするのか。

私に協力してくれるか。

真剣に考えてほしい。

もし、見て見ぬ振り、大男の味方をするなら。

私は貴方を絶対に許さない。

許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない。

次の日……

「そんな!私の娘はそんな事するような子じゃありません!何かの間違いです!」

「いやねー……。お母さん。そう言われましても……現に目撃者がたくさんいましてね。被害に合われた男性の方の証言もありますし……。」

「じゃあその男性に会わして下さい!あと娘にも!なにか絶対理由があるはずです!」

「被害に合われた男性は手術が終わったばかりなので、今は御遠慮下さい。娘様は可能ですが……。

ずっと放心状態でブツブツ何か訳の分からない事を言って話せる状況じゃありませんよ……?」

「そんな。で、でも何かの間違いです。冤罪なんです!」

「お母さん。いい加減、現実を見て下さい。

貴方の娘様は、いきなり発狂し、持っていたハサミで男性の心臓を刺したんです。

幸い心臓まで届いてなく、生命に別状はありませんでしたが、心臓を狙うという事は殺意があったという事です。

我々、警察は殺人未遂事件として捜査をしています。

しかしながら、防犯カメラにも写っていなかったため、被害者の証言、凶器の指紋、現場検証、目撃者の証言で、ほぼ貴方の娘様の犯行で間違いないのです。」

「そんな……。そんな事が……。目撃者は……目撃者はなんて!?」

「はい。なんの前触れもなくいきなり発狂して、男性に襲い掛かったと。何か精神的な病気を持ってる方か……、あと……お母様には言い難いのですが……

なにか知能に障害がある方じゃないか?

との意見を頂いております……。」

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常に自問するテーマなのでとても興味深かったです。
ほんとに振り切って革命のための正義をやるなら恐らく誰でもテロリストになるしかないんですが、それが世の中を変革できるかというとそうではない。
信念を持った行動も過激であれば個人単位では必ず狂気と捉えられる。
正義とは、例えばある組織の内での構成員の相互補完でのみ保持可能な概念なのでしょう。

僕なら抵抗しない人の首を絞めるような人物を目撃したらおそらくその人物の首を絞めるでしょうが、それは正義というより単にイラつくからですね。

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