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こじつけ感のある話だと思いますが、私が数年前に体験した話です。
当時私は車が大好きで、愛車を改造しては車好きの友人と峠を攻めたり、車好きな人をSNSで募り夜中に集まったりしてました。
そんな生活をしていると気の合う仲間(8人くらい)ができて、毎週末そのメンバーで集まるようになったんです。
7月頭にいつものメンバーでそれぞれの愛車を引き連れ集まっているとそのうちの一人が「肝試し行こう!」と言い出し、県内の曰く付き廃墟で肝試しにいきました。
この時、なにか起こる訳でもなくその場の雰囲気やスリルを楽しんでました。
それからの週末は、このメンバーで県内の心霊スポットへ出掛ける事が恒例となりましたが、心霊体験はここまで一度もありませんでした。
ある週末の夜中、いつものメンバーで集まり事前に調べた廃トンネルへ肝試しに行くことになりました。
そのトンネルは狭い山道を進んだ先にあることは分かっていたので、いつもはそれぞれの愛車をそれぞれが運転してツーリングの様に心霊スポットへ行くところを、何台かの車は道の駅に置いて相乗りで行くことになったんです。
僕の車含め何台かは途中の道の駅に置いて、合計8人の仲間が4台の車でトンネルへ向かうことになりました。
細く真っ暗な道を進んでいると、目の前にいかにもな廃トンネルが現れました。トンネルは今にも崩れそうな見た目で、中は吸い込まれそうな闇が広がっていました。トンネルの目の前にはガードレールが道を塞ぐように設置され車での侵入は不可能でしたが、何人かは車を降り、ガードレールを越えてトンネル内へ入っていきました。
私と残りの仲間はトンネル前でうろうろしていたのですが、ガードレールに目をやると小さなお地蔵様がガードレールの錘?部分に置かれていました。
よく見るとお地蔵様の首から上が取れており、頭は道路に転がっていました。
私は気味が悪いなぁとは思いましたが、それ以外はいつもの肝試しの様になにも起こりませんでした。
私と何人かは車へ戻り、トンネル内に入った何人かを待っていると、何もなかったみたいで残りの仲間も普通にトンネルから出てきました。
車の方へ戻ってくる残りのメンバーの懐中電灯の灯りが近づいてくると、一瞬お地蔵様の影が懐中電灯の逆光によって確認できました。
しかし、頭のないはずのその影には頭がちゃんとついているように見えたのです。
「あれっ?」と思っていましたが、みんな車へ乗り込みUターンをするとき、車のライトに照らされたお地蔵様は間違いなく頭がついていました。
「誰かがもどしたのかな。。」と思いつつもこの日も何事もなく全員帰路につき、私も道の駅に停めていたマイカーで帰宅しました。
次の日の夕方、昨日のメンバーの一人から「ガードレールに突っ込んだ」という連絡がきました。
本人は大した怪我は無く、車も修理すれば使える程度とのこと。
この時は「スピードの出しすぎだろ」と思ってました。
しかし、その次の日には別のメンバー二人から「壁に激突した」「フロントガラスに石が飛んできた(恐らく前走車の飛び石)」と連絡があり、さすがに私達も怖くなってきました。
しかも、これらの不運が起きた三人の車は、あのトンネルへ行った際に使った4台の車のうちの3台だったこともあり、「あと一台は大丈夫か?」「お地蔵様の頭をだれか触った(戻した)?」「お祓いに行った方がいいのか?」と、気づいたら色々なことを考え始めていました。
あの4台のうちあと1台のドライバーに連絡しましたが、「今のところなにもない」とのこと。
その後2日間はなにもなかったのですが、3日目にあと1台のドライバーから写真と共にメッセージが来ました。
「車がいきなり燃えた」
写真には炎上して丸焦げになった車が写されていました。
ドライバー本人は臭いで気づきすぐに車から降りて無事でした。
あのトンネルへ行ったあと、一週間で4台の車に不運なことが起こり、ここで初めてメンバー全員が「本当にやばい」と気づきあのトンネルへ行ったメンバーでお祓いへ行きました。
幸いその後は他の仲間たちにはなにも起きていません。
お地蔵様の頭を戻した?戻った?ことが原因なのか、そもそもトンネルへ行ったことで起きた事なのか、ただの偶然なのかはわかりませんが、肝試しはそれっきりやっていませんし、もう二度とあんなことはやってはいけないと思っています。
作者舌焼
数年前の実話です。
車を改造している時点で「燃えたのも整備不良だろ」、「突っ込んだのも攻めすぎだろ」とも思いますが、一週間で起きたことがとても怖かったですね。