短編2
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秘密基地

子供の頃に体験した話です。

小さいころ、団地に住んでいたのですが、近所に小さい公園がありました。遊具の周りには細い木が密集していて、私と友達は木の枝を折って、空洞を作り、秘密基地にしました。

秘密基地と言っても小さな子供が2、3人、座って入れるくらいの小さなものでした。

プラモデルや漫画本をお菓子の空き缶に入れて、秘密基地に隠して、暗くなるまで友達と遊ぶのが楽しかったです。ある日、友達と秘密基地に行くと、シマシマの服を着た男の子が秘密基地の中で漫画を読んでいました。見たことのない子供でしたがすぐに仲良くなり、それから毎日のように一緒に遊ぶようになりました。それから何日かたった日、シマシマの服を着た男の子と私の二人で遊んでいるとき、知らない大人が秘密基地を覗き込んできました。「やっと見つけた!」と言うとシマシマの服を着た男の子の腕を引っ張り、連れて行ってしまいました。

次の日からシマシマの男の子は姿を見せなくなりました。私と友達は寂しくなりましたが、ある日、おもちゃの缶詰を開けると、手紙が入っていました。手紙には住所と「助けてください」の文字。私と友達はその紙を親に見せると、親と一緒にその団地の部屋に向かいました。

ピンポンすると、知らないおじさんが出ました。私がシマシマの男の子のことを聞くと、そんな子はいないと言いました。後日、その団地の部屋からシマシマの服を着た男の子の死体が見つかったのですが、死後数年経っていたそうです。私は男の子を救ってあげられたのでしょうか。

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