子供の頃に体験した話です。
小さいころ住んでいた団地の近くの公園には砂場があったのですが、犬や猫が糞をしていて汚いから絶対に遊んではいけないといつも公園にいるホームレスのおじさんに注意されました。
ホームレスのおじさんは砂場から少し離れたところにあるベンチでいつも横になって新聞を見たりお酒を飲む毎日でした。
学校で友達にその話をすると、友達が「犬と猫の糞がどれだけあるか数えてみよう」と言い出しました。私はそんな汚いのは嫌だと言うと、友達が「じゃあどっちが犬と猫の糞を沢山見つけられるか勝負しよう」と言い出しました。汚いことに変わりはありませんでしたが、家からスコップとバケツを持って公園に向かいました。
砂場で糞を掘り出そうとすると、ホームレスのおじさんが近づいてきて「お前ら何してるんじゃ汚いから他で遊びなさい」と言いました。私と友達は「おじさんの方が汚い」と言いながら嘘泣きをして近くにいた大人に泣きつきました。気が付くとホームレスのおじさんはいなくなっていました。
邪魔者がいなくなり、私と友達はスコップで砂場を掘るとホームレスのおじさんが言った通り、動物の糞が本当にたくさん出てきました。友達のバケツが糞でたくさんになりかけたころ、近くにいた大人が急に悲鳴をあげました。
糞探しに熱中していた私と友達は気が付かなかったのですが、糞だと思っていた黒い乾燥物は人間の焼死体でした。私と友達は糞だと思わされていたので、知らぬ間にスコップで解体の手伝いをしてしまっていたようです。
この公園、過去にホームレス狩りで何人か行方不明だったそうです。ホームレスのおじさんは見つけてもらいたかったのでしょうか。
作者幽霊部員