僕は自殺する事を決めた。
中学校に入ってからクラスのみんなに毎日のようにイジメられ、友達と呼べる人もいない。
小学校の時はイジメもなく、友達もいた。
こうなってしまったのも、全てあの日の出来事のせいだ・・
その日は体調が悪く、学校に遅刻した。
学校に着いた時、ちょうど全校集会があり、皆体育館に集まっていた。
体育館に入ると一斉に皆の視線が僕に集まり、恥ずかしながら自分のクラスの列に向かった。
座る場所はいつも決まっていた為、脚がぶつからないように座っている人達の間を通った。
そして自分の場所に着く瞬間、、事は起きた。
キャー――!!
女子生徒が悲鳴をあげた。
僕は後ろにいた奴にズボンを降ろされた。
しかもパンツも一緒に足首まで降りてしまい、皆に見られたんだ。
僕にそれをやった奴はいつも悪ふざけしたり、先生からの呼び出しも頻繁にあるような奴だ。
でもそう言う奴に限って顔立ちも良くて、女子からモテる。
とにかく、、
その一件があってから僕はイジメられるようになった。
そいつにはきっと罪悪感も何もないだろう、ただ面白いからやっただけだと思う。
話は戻るけど、あれから2年...
もう限界だ。
何度も復讐を考えた。
でも僕に出来るわけない、多分それが出来るならそこまでイジメられてなかったと思う。
そう、自分にも原因があるのは分かってる・・
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夏休みもそろそろ終わりを迎える。僕は明日自殺する。
迷惑をかけないで死のうと考えていた。
悩んだ末、外は迷惑がかかりそうなので自分の部屋で首を吊ることにした。
遺書には一言、、 「お母さん、お父さん、ごめんなさい」
そして当日の朝。
僕は首を吊って自殺した。
・・・はずだった。
目が覚めると病院にいた。
両親がベットの横で泣きながら.. ごめんね、、ごめんね、、と何度も謝っていた。
僕はその姿を見て表情変えず涙がでた。
こんなにも両親が僕の事を大事にしてくれていたのに、僕は何って事をしてしまったんだ。
もう、自殺なんてバカな事はやめよう。
自殺をやめた僕に残っている事。
あいつのせいで僕はイジメられるようになったんだ!
復讐してやる・・
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後日、そいつの家に行って火をつけてやろうと思い準備していた。
その当日、
ピーンポーン・・
インターホンの後、聞い覚えのある声が聞こえてきた。
そう、それはまさしくあいつの声だ。
どうして僕の家に?
僕はガタガタ震えてきた。
これは怖さとかじゃなく、憎悪だ。
・・ドカンッ!!
「本当に、すいませんでしたっ!」
大きな声で何かを謝っている。 知らない大人の声も聞こえる。
どうやら親も一緒に来たみたいだ。
皆で謝っている。きっと僕の事で問題になったんだろう。
こっそり玄関を除くと、僕のお父さんがそいつを殴っていた。
お母さんは泣きながらお父さんを止めていた。
お父さんが人を殴るってイメージが全く無かった。
そんな初めて見るお父さんの姿をみて僕は頭が真っ白になった。
そして、気が付けば僕は手にカッターを持ち、玄関に走り出していた。
殺してやる。
殺してやる。
殺してやる。
そしてそいつの首めがけて思い切りカッターで切りかかった。
確実にカッターは首に当たった・・
でも感触が無い。
当たった、、 いや、違う、、、、
刃が首を通り過ぎた。
どうして?
そして僕が横にいるのにみんな反応しない。
大声を出しても誰も見向きすらしない。
親達は表情も変えずずっと謝っている。
よく見ると、みんな黒服を着ていた。
そっか・・・
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僕は親からこんなに愛されてたに、どうして気付かなったんだろう。
学校のみんなにイジメられたって、こんな身近で僕の事を愛してくれる人がいたのに。
・・どうして気付けなかったんだろう
当たり前のように毎日一緒にいれる事がどれだけ幸せな事だったか、、
もっと一緒にいたい。
もっと生きていたかった。
「お母さん、お父さん、本当にごめんなさい」
作者芋係長