これは1ヶ月前に起こった出来事。
俺はいつも通りみにゃと一緒に過ごしていた。
ある日電話がなった。
「もしもし、お兄ちゃん。旅行から帰ったから遊ぼ。
拒否なんて……しないよね?」
妹だ。タイミング悪すぎる。今日はみにゃと映画に行く約束だ。普段編集やらで忙しくてどこにも連れていってやれなかったのだ。
もうすっかり寒くなったので映画にしようと決めたのだ。
「ごめんね。友達と映画見に行くんだ。だから今度な」
「誰と行くの?女の子?」
「違うよ男友達だよ。」
「へぇ、楽しんでね。」
電話が切れた、怒らせたかなぁ。みにゃと行ってくるなんて口が裂けても言えない。ほんとに怖いやつ。
みにゃの家に避難しといて良かった。
「みにゃ準備したか~?行くぞー」
「分かったにゃあ。」
みにゃと出掛けるときは必ず猫のことを隠さなければならない。防止を被って、ね。
それでも少し盛り上がるけど。
映画館に着いて、楽しい時間を過ごした。
その日は何事も無かった。このままでいけば良かったのだが。
次の日、妹、みにゃがインフルエンザにかかった。
妹は人間だから普通のインフルエンザだけどみにゃは猫人間。重症度が違った。
妹は電話で死にそうな声で助けを求めて来た。
困った。俺のからだが2つあれば……
学校も休まざるおえなかった。
どうするか迷った。みにゃの家から俺の家まではかなりの距離がある。それを1週間往復で看病したとする。確実に俺のからだが持たない。悩んだ末俺はついに決断をした。
無謀でも構わない。俺のからだがどうなったって構わない。
どちらも俺にとって大事な人だ。猫女の子でも妹でも。
俺はみにゃをおんぶして、俺の隣の家に入った。
俺の父さんの仮の家。けっこうでかい。
「父さんナイス」1番感謝したかも。
俺の死闘の看病生活が始まった。
病院に行かせてやりたいけど、その間にどっちかが苦しい思いをして待たなければならない。そうなるなら病院行かないで俺が頑張った方がいいと判断した。
幸いインフルの薬が余ってたからとりあえず、妹とみにゃに飲ませておかゆも作って。10分ごとに往復で看病した。
それを繰り返して5日目。妹は完治した。
「なんで、隣の家に行くの?」
「用があるからな。家でおりこうさんにしてろよ。」
妹をみにゃに会わせるわけには行かない。どんな事になるか分かったもんじゃない。
けど、窓からみにゃを看病してるところを見られた。
家に戻ると妹が問い詰めてきた。
「なんで、女の子がいるの!私じゃダメなの!?
お兄ちゃん私を裏切るならお兄ちゃんなんて消えちゃえ。あの女の子も」
と半狂乱に何ながら包丁を持ってきた。
俺は隣の家に逃げた。だが、窓から侵入。
妹は包丁を降り下ろす。俺は必死にみにゃを抱っこして逃げた。
ついに行き止まりになった。
「もう、逃げられないね」
包丁を降り下ろした。
みにゃだけは、守る。
背中に激痛が走った。刺されたようだ。
包丁が引き抜かれる。妹がそこで手を止めた。
俺はその隙に理由を話した。
「この子は両親もいない!病気にかかったんだ!ゴホッゴホッだ、れがこいつの看病する、んだ。
俺しか、ね、だろ……たの、むから認めてくれ。中よ、くし、ろ……」
血を吐きながら必死に訴えた。
「そんなことなら先に言ってよ……なんで、なんで。」
その場で泣き崩れる妹。俺の説明不足だ。逃げることしか考えてなかった。妹の気持ちも考えずに。なんて最低だ。刺されたのは天罰と思った。
「とりあえ、ずタオル持ってきてくれ。血、を止め、なきゃ。」
「分かった!」
そこで俺はみにゃを抱き締めたまま目を閉じた。」
目を覚ましたときにはみにゃも元気になっていた。
妹とみにゃが泣きながら俺のことを呼んでいる。
どうやら、生きてるみたいだ。
「ごめん。ごめんなさいお兄ちゃん。もう、もうしないから。」
「大丈夫だ。妹の気持ちを考えなかった俺が悪い。」
するとみにゃが
「私もごめんなさい。私が……しっかりしないから。」
「みにゃは、よく頑張ったよ。二人は何も悪くないさ。」
2人は俺に抱きついてきた。泣きながら。
傷口はまだ痛かった。タオルも血まみれ。
みにゃと妹は和解して、一緒に遊ぶ仲になった。
妹にはみにゃは俺の彼女と告白したら最初は嫉妬してたけど
じゃあ私は2番目の彼女~とかいってきた。
全くしょうがない妹だ。
けど、みにゃとはずっと一緒だし。
妹とも、1週間に2回は会うと約束した。
人生の中で1番戦慄の出来事だった。
みにゃは笑って「ご主人大好き」と言ったが。
目に光が無かったように見えたのは気のせいだろうか……
作者ユート
あの出来事はしっかり覚えています。
見間違いだと良いんですけどね……「目に光無し」
今はみにゃと楽しく過ごしています。
読んでくれるだけでもうれしいです。
もう1つありますので楽しみにしていただけだら幸いです。