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中編4
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決死の決断

これは1ヶ月前に起こった出来事。

俺はいつも通りみにゃと一緒に過ごしていた。

ある日電話がなった。

「もしもし、お兄ちゃん。旅行から帰ったから遊ぼ。

拒否なんて……しないよね?」

妹だ。タイミング悪すぎる。今日はみにゃと映画に行く約束だ。普段編集やらで忙しくてどこにも連れていってやれなかったのだ。

もうすっかり寒くなったので映画にしようと決めたのだ。

「ごめんね。友達と映画見に行くんだ。だから今度な」

「誰と行くの?女の子?」

「違うよ男友達だよ。」

「へぇ、楽しんでね。」

電話が切れた、怒らせたかなぁ。みにゃと行ってくるなんて口が裂けても言えない。ほんとに怖いやつ。

みにゃの家に避難しといて良かった。

「みにゃ準備したか~?行くぞー」

「分かったにゃあ。」

みにゃと出掛けるときは必ず猫のことを隠さなければならない。防止を被って、ね。

それでも少し盛り上がるけど。

映画館に着いて、楽しい時間を過ごした。

その日は何事も無かった。このままでいけば良かったのだが。

次の日、妹、みにゃがインフルエンザにかかった。

妹は人間だから普通のインフルエンザだけどみにゃは猫人間。重症度が違った。

妹は電話で死にそうな声で助けを求めて来た。

困った。俺のからだが2つあれば……

学校も休まざるおえなかった。

どうするか迷った。みにゃの家から俺の家まではかなりの距離がある。それを1週間往復で看病したとする。確実に俺のからだが持たない。悩んだ末俺はついに決断をした。

無謀でも構わない。俺のからだがどうなったって構わない。

どちらも俺にとって大事な人だ。猫女の子でも妹でも。

俺はみにゃをおんぶして、俺の隣の家に入った。

俺の父さんの仮の家。けっこうでかい。

「父さんナイス」1番感謝したかも。

俺の死闘の看病生活が始まった。

病院に行かせてやりたいけど、その間にどっちかが苦しい思いをして待たなければならない。そうなるなら病院行かないで俺が頑張った方がいいと判断した。

幸いインフルの薬が余ってたからとりあえず、妹とみにゃに飲ませておかゆも作って。10分ごとに往復で看病した。

それを繰り返して5日目。妹は完治した。

「なんで、隣の家に行くの?」

「用があるからな。家でおりこうさんにしてろよ。」

妹をみにゃに会わせるわけには行かない。どんな事になるか分かったもんじゃない。

けど、窓からみにゃを看病してるところを見られた。

家に戻ると妹が問い詰めてきた。

「なんで、女の子がいるの!私じゃダメなの!?

お兄ちゃん私を裏切るならお兄ちゃんなんて消えちゃえ。あの女の子も」

と半狂乱に何ながら包丁を持ってきた。

俺は隣の家に逃げた。だが、窓から侵入。

妹は包丁を降り下ろす。俺は必死にみにゃを抱っこして逃げた。

ついに行き止まりになった。

「もう、逃げられないね」

包丁を降り下ろした。

みにゃだけは、守る。

背中に激痛が走った。刺されたようだ。

包丁が引き抜かれる。妹がそこで手を止めた。

俺はその隙に理由を話した。

「この子は両親もいない!病気にかかったんだ!ゴホッゴホッだ、れがこいつの看病する、んだ。

俺しか、ね、だろ……たの、むから認めてくれ。中よ、くし、ろ……」

血を吐きながら必死に訴えた。

「そんなことなら先に言ってよ……なんで、なんで。」

その場で泣き崩れる妹。俺の説明不足だ。逃げることしか考えてなかった。妹の気持ちも考えずに。なんて最低だ。刺されたのは天罰と思った。

「とりあえ、ずタオル持ってきてくれ。血、を止め、なきゃ。」

「分かった!」

そこで俺はみにゃを抱き締めたまま目を閉じた。」

目を覚ましたときにはみにゃも元気になっていた。

妹とみにゃが泣きながら俺のことを呼んでいる。

どうやら、生きてるみたいだ。

「ごめん。ごめんなさいお兄ちゃん。もう、もうしないから。」

「大丈夫だ。妹の気持ちを考えなかった俺が悪い。」

するとみにゃが

「私もごめんなさい。私が……しっかりしないから。」

「みにゃは、よく頑張ったよ。二人は何も悪くないさ。」

2人は俺に抱きついてきた。泣きながら。

傷口はまだ痛かった。タオルも血まみれ。

みにゃと妹は和解して、一緒に遊ぶ仲になった。

妹にはみにゃは俺の彼女と告白したら最初は嫉妬してたけど

じゃあ私は2番目の彼女~とかいってきた。

全くしょうがない妹だ。

けど、みにゃとはずっと一緒だし。

妹とも、1週間に2回は会うと約束した。

人生の中で1番戦慄の出来事だった。

みにゃは笑って「ご主人大好き」と言ったが。

目に光が無かったように見えたのは気のせいだろうか……

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