短編1
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手のひらの子どもたち

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目覚めると、私の手の平に赤ん坊がいた。

・・・

一人や二人ではない。

・・・

無数の子供達がいた。

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手の平から落ちても、私の身体に寄り添い、小さく、幼い子供達が私を見上げ微笑んでいる。

・・・

愛しさで胸が締め付けられる。

私は寝る間も惜しみ、食事さえ摂る事も忘れ、子供達にせっせと乳を与え続けた。

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夫は私が妊娠をすると、どこかへ消えた。

・・・

元々愛していた訳ではない。

頼りにしていた訳でもない。

・・・

夫も、ただ・・・自分の遺伝子さえ残す事さえ出来れば良かったのだろう。

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wallpaper:5139

子供はスクスクと育って行った。

沢山の子供達を一人で育てるのは大変だが、どの子供も可愛く、私にとって子育ては苦ではなかった。

子供達の身体も、生まれた頃に比べ一回り大きくなって来た様だった。

・・・

私は子供達を見詰め、微笑むとゆっくりと体の力を抜いた。

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子供達が私の身体に喰らい付く。

痛みよりも愛しさが込み上げて来る。

さあ・・・子供達・・・

私の身体を食べ、大きく、強く育ちなさい・・・

・・・

ゆっくりと私の意識は薄れ行く・・・・・・・・

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・・・

そうだった・・・・・・・・

・・・

子供達の父親は、私が食べ尽くしたのだった・・・

・・・

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私は蜘蛛。

・・・

・・・

・・・

自らの身体を次の世代へと繋いで行く・・・・・・・

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