【重要なお知らせ】「怖話」サービス終了のご案内

中編4
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コンビニ

さて皆さんはコンビニの怖い話はありがちなものが多いと感じている方もいらっしゃると思います。僕のイメージでは商品棚から誰も触れてないのに商品が落ちるとか、誰もきてないのに自動ドアが開くとか、蛍光灯が点滅するとか。そういったものが多い気がします。しかも大体深夜に起こってるんですよね(笑)

今回の話は僕の友人Aが体験したものです。

Aは学生であるため主に平日の夕方6時から夜10時までのシフトで入っておりました。場所的には都会と田舎の中間地点辺りでした。2人体制で違う学校の一つ上の先輩と働いていました。仮にBとします。

A「お客さん来ないですね。ちょっとゴミ替えてきますね」

B「おう、頼むわ。」

(ヌチャ)カウンターから出たAがゴミ箱に向かう途中、Aは何かを踏んだ感触がしました。

A「うわぁ、なんか変なもんふんじゃいました(笑)」

B「どんなもん?」

A「お米ですね。お客さんの誰かが食べながらでてったんでしょうね。」

B「ここイートインないのになぁ、まぁ後で軽く拭いとくわ」

A「じゃあとりあえず僕はゴミ替えてきます」

Aがゴミを替えに行きBは軽くティッシュで先ほどの床を拭きました。少ししてテンテーンと入り口を通る音が聞こえ、Aが店内に戻ってきました。その後ちょくちょくと20代くらいのお姉さん、40過ぎ程の作業着のおじさん。母と娘などのお客さんが入ってきました。Bが立っているレジに作業着のおじさんが少し険しい顔をしてビール一つ持って、カウンターに置き言いました。「ここ、なんか変な音聞こえんか?」

B「すみません、僕には聞こえなかったのでわかりません」

おじさん「まぁ、ええわ。」

お会計をしてAとBが「ありがとうございました」と言い、おじさんは帰っていきました。

それ以降のお客さんからしばしば「床ちゃんと拭いてる?」や「なんか落ちてきたんだけど」などの声が上がりました。

Aが「落ちてきたものはどんなものですか?」とお客さんに聞きましたが「あれ?気のせいだったんかな」と何が落ちてきたのかはわからなかったようです。

さすがに不審に思ったAとBは2人でお客さんの証言をもとに店内のどこの場所で異変が起きているのかを探りました。

A「音はどこからか特定しにくいですが、落ちてきたものと床の変な感触はこの辺りでしたね」

B「うん、そうなるな。」

2人でその場所に行き天井を見上げるとちょうど上に四角い店用のエアコンがあるところでした。

B「そういえば、お前さっき米踏んだって言ってたのもこの辺?」

A「ああ!そういえば。この辺りですね。」

B「待って。これ塩?落ちてないか?」

A「確かにざらついてますし。塩?みたいですね」

B「だからさっき何か落ちてきたって言ってた人は気のせいだと思ったんやね?」

A「そうかもしれません」

といったことをお客さんがレジに来るまでの間やお客さんがいない隙間時間にAとBは協力して発見しました。

B「とりあえず、エアコンの掃除することにしてちょっとエアコンの中確認してみるわ」

A「わかりました。」

Aがレジに残りBはキャタツに乗りエアコンの中を開けて掃除道具を一式持ち作業を始めました。

店内には4人ほどのお客さんがいました。小さい女の子を連れた女性がBの近くを通った頃、異変の原因が分かりました。

女の子「ねぇ、お母さん!あそこお姉ちゃんいるよ!」

母「そんなとこにいるわけないでしょ!早く買い物済ませるわよ」

女の子が指差して見ていたのはBが掃除しているエアコンの中でした。

A「レジお願いします!」

B「はーい。」

しかしBを呼ぶほどレジは混んでいませんでした。

B「あれ?おれいらんかったくね?」

A「先輩。危なかったですよ」

B「え?」

A「女の子がお姉ちゃんいるよって言った時、本当に女がエアコンの中から先輩の方をじーっと見てたんですよ」「いや、じーっとなんてもんじゃないです。僕の位置からでも見えるくらい身を乗り出して先輩の顔すれすれにいました」

B「まじで!?怖いこと言うなよ〜(笑)美人だった?」

A「さあ?そこまではわかりませんが髪の長さと横顔からそう見えました。」

お客A「おーい!これどうにかしろよ!」

AとBが駆けつけました。「どうされました?」

お客A「これこれ!見て。」

ものすごい量の髪の毛と米粒が落ちていました。さらに他のお客さんからも悲鳴が上がります。

B「おい!あいつなんだよ!」

A「逃げましょう!」

店内に頭だけでゴロゴロと転がり続ける女が出現していました。お客さんは我先に自動ドアに向かい外に出ました。AとBも後に続き、その日は2人で近くのファミレスへ逃げ込み朝まで明かしたそうです。

翌日、AとBは店長に辞めることを伝え店長もお客さんからのクレームの嵐で霊が出たことを信じAとBはバイトを辞めました。

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