凄腕の詐欺師の男がいた。今回のターゲットは大きな屋敷に住んでいる独り身の老人だ。老人は以前、有名な大会社の社長だったこともあり莫大な資産を持っているとの調べはついていた。
男は電話を使って老人のお金を騙し取ることに決めた。電話はもちろん安物でかけた後すぐに処分できるものだ。
電話をかけ、お金を用意させることに成功した。しかし老人にも幾らかの警戒心があったらしく、屋敷で渡すと言われた。そこで男は特殊メイクを顔に施し、老人の家に出向いた。
屋敷に着きチャイムを押すと「お上がりください」と女の声で言われた。大きな屋敷だけあってメイド雇っているのだろうと思いあまり警戒せずドアの内側に入った。
男は二度と表に出ることはなくなった。理由はこの屋敷自体が金庫であり閉じ込められたことと、部屋の中にいた女の妖怪に四肢をもぎ取られたからである。
部屋の中には首だけの老人が電話の上に耳を置いていた。
作者やみぼー