長編13
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厄災(「影」番外編)

不気味な噂話が日常生活の一部に混ざってきたのは、この村に越してきてからだ。

一見、田畑や自然に囲まれた長閑なこの田舎の村も、よくよく中身を見れば、限界集落である事の現実で満ちていた。

家主の高齢化…もしくは死去によって、取り壊しの目処の立たない家屋があちこちに点在し、手入れをする者がいなくなった為に、荒れた土地もちらほらと顔を出す。

そんな廃村ギリギリの場所に、役所の手引きで建設会社が参入し始めたのが、6年程前。僕はプロジェクトの一員として、この土地の開発に尽力した。

住民を説得…いや、「まあとりあえず」と言って、菓子折りと共に小難しい土地の権利書やら登記やらを差し出し、「後世まで大事に取り扱いますよ」なんて言えば、渋々ではあるが納得してくれた。

そしてトントン拍子に事は運び…新しく建てた分譲住宅の売買も順調で、家族連れや一部の若者達が続々と移住し、この村は、再び生まれ変わろうとしていた。

更に、会社から功労が認められ、褒美と称して自社で作った戸建ての家と、その土地の権利書を貰った僕は、妻と共に、都会の殺伐とした空気から逃れて、平穏な暮らしを送る────

…筈だった。

「此処ではね…『影』が現れるんよ…昔からね」

そんな話を聞いたのが、全ての始まりだった。

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神津来(こうづき)さん…この村で一番古くから住み、この村の人間をまとめていた、「名士」の子孫。

彼女は最後まで1人…頑なに土地の明け渡しを拒んでいた為、僕等もかなり手を焼いていた。

ゲームのラスボスみたいだ、なんて後輩はよく笑い話にしていたけど、実際説得する僕の立場からしたら…ラスボスなんてまだ甘い。

玄関外の垣根から顔を出すだけで、「何しに来た!帰れ!」なんて、木刀片手に怒鳴られるんだから…開発当時は、毎日その事だけが僕の胃をキリキリと言わせていた。

だが…天は恐らく味方してくれたのだろう。

神津来さんが、村の奥にある山で、遺体で発見されたのだ。

どうやら登山の最中に足に怪我をして、そのまま遭難したらしい…そう警察から聞かされ、僕は驚くと同時に、全身から不安の要素がサーッと流れて行く…妻曰くデトックスのような感覚に陥り、僕はその報告のあった次の日、不覚にも体調を崩して寝込んでしまった。

「相当手強かったのね~その方、でも…こんな事言ったら不謹慎だけど…良かったじゃない」

妻はどこかホッとした様子で、僕もこれでようやく…と安堵に身を任せた。それからは、前述したように、みるみる内に開発が進んだのだが…

僕は村人から、「影」にまつわる話を聞かされた事が、どこか引っかかっていた。

「決まって冬の時期なんよ…家族や友達の形をした影が目の前に現れてね…それだけならいいんだけど…触れたら絶対にいかんのよ…ねぇ?」

「この村の人は皆、その影だけは絶対に触ったらいかんって、子供の時から代々教わってきてるんよ、信じられんかも知れないが…」

土地の契約の為に訪問した幾つものお宅で…住人、特に老人が口々に言っていたのだ。良くある因習…と言えばそれまでだし、ただの思い込みで済むならそれに越したことはない。

だが…何故だろう、あの語り口…

折角取り払われた筈の不安が、またここにきて顔を出す。

僕はその話を、他の移住者にもそれとなく振ってみる事にした。自宅から1キロ程先にある古民家風の住宅で、共同生活をする若者達だ。

20代前半から後半までの男女計3人。以前話した時に、彼らが芸術家志望だという事を聞いていたから、もしかしたら…なんて勘繰っていたのだが…

「ああ!僕等も結構聞きました。でも、あれって単なる集団ヒステリーの類だと思うんですよ。ああやって、集落を一つにする…みたいな?」

「何かでも、私こういう話実際に耳にするなんて初めてだから、興味深いです」

「作品を作る上ではかなり興味深いテーマだけど、科学的根拠が無いからな…」

芸術家=スピリチュアルな思想を持ちやすい…という偏見が少なからずあった僕にとって、それは意外でもあり、安心材料にもなった。家主の男は自称現実主義だけあって、理にかなった答えを出してくれた。

「そう…だよな!ああ、申し訳ない変な事聞いてしまって…ありがとう、その後どうだい?」

と、話題を別の方向に振ってその場は何て事無く終わったが…家に帰ると、今度は妻から不思議な話を聞いた。

「今日ね、奥様達とお茶してた時に…あの山の事聞いたのよ。あの、ご婦人が見つかったって場所…何でも、そこに古~い祠があるんですって…でね、その祠には、自然信仰の名残が強く残っているそうなのよ」

「私、ヨガやってるじゃない?なんか、太陽のパワーとかそういうの、続けてるうちにちょっと興味持って…だから、そんな信仰の話聞いて、凄くこの土地に親近感湧いちゃった」

飽きやすい性格の妻が、友達の紹介で始めたヨガにハマり、もうかれこれ5年以上も続いている。

と同時に…アロマやパワーストーンなんかにも興味を持ち始め、すっかり家の中は「彼女一色」って感じだ。これ以上暴走しなければいいのだが…

「祠…ねぇ。何だろうな?木とか、そういうのだろうな、神社みたいな…」

「ね!だから私、今度村の人に、どんなものなのかって聞いてみようと思って…ほら、こういう閉鎖的だった場所って、新参者を受け入れないじゃない?だから、理解を示せば…打ち解けられると思うの!」

俺への嫌みか?とも言える妻の言葉…

そりゃ、デパートもお洒落なカフェも無い辺鄙な場所だけど…将来的にはここに、ショッピングモールだって立てる予定なんだ。

それに通販だってあるんだし…何だろう、女ってこう…良い所1つ見つけるのと同時に、悪い所は3つも4つも見つけてくるよな…ああ、疲れる。

「ねえ、そろそろ子供────」

「悪い…今日は疲れてるから、早めに寝るよ」

影…か。

もし、妻の影が現れたら…それはどんな姿だろう。ヨガのポーズでも決めてるんだろうか?なんて考えたら、思わず吹き出してしまった。

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「ごめん下さい」

休日の午後、突如リビングの外からした声に、思わず「えっ!?」と声を上げた。

恐る恐る声のした方を見ると…そこには、制服姿の女の子が立っていたのだ。

「ごめん下さい」

彼女はもう一度、僕に向かってそう言った。一瞬、影の事が頭をよぎったが、今は10月半ば。

それに、彼女の姿…若々しい肢体や、艶のある髪の毛が、ハッキリと伺える。

「は、はい…え、どうしたの?君は…どこのお宅の…?」

玄関のチャイムを押さず、わざわざ庭伝いに来た事に疑問を持ちながらも、僕はとりあえず、リビングの窓を開け、彼女にそう聞いた。

「あの…私、柴野って言って…あの、祖父母がお世話になりました!」

柴野、と聞いて、「ああ!」と納得した。柴野さんは土地の契約の際、一番好意的に接してくれた人だ。

この土地に越してきて間もない頃、「慣れない場所で大変ね」と気遣いをくれたのもその方達で、自宅は無理だけど、代わりに…と、老朽化した離れのある土地を売ってくれたのだ。

「ああ、その節は僕もお世話になりました。で…どうしたの?お爺ちゃんお婆ちゃんに何かあったの?」

立ち話も何なんで…と家に上げようとしたが、彼女は「ここでいい」と言わんばかりに立ち尽くしていた。そして、彼女は思いも寄らぬ事を口にしたのだ。

「あの山の中に、祠があって…石があるんです、小さな石の欠片が」

─────え?

「その石には、願いを叶える力があるんです、それで…それで私…」

「あ…うん…?で、どうして僕に?」

「…その…えっと…お願いをしてきて…」

石、お願い、力…妻の顔が頭をよぎる。一体どうしたんだ?

「お願いっていうのは…何かな?」

「…この村の、この町の平穏をと思って…」

そう言うなり、彼女の頬は少し赤く染まった。

詳しく聞くと…中学生の彼女は、ある事情から祖父母の家に滞在していて、離れを売り渡す事や、僕の事を聞いたそうだ。

柴野さんは、僕が「一生この村を大事にします」と言った事を彼女に話して、それを聞いた彼女は、彼女なりのお礼を言いたいと思ったらしい。

大好きな祖父母のいる土地を守ってくれた、という意味を込めて。

口から出任せだったけど、言って良かった…と思いつつ、僕は久方振りに目にする、「若々しく純朴な存在」に、心を洗われる様な…そんな気分になった。

「そうか!そうか!フフッ…ありがとう!」

「あの…何かおかしいですか?」

「いや、ごめん…ありがとう、凄く嬉しいよ」

僕の言葉に、彼女の頬はまた赤くなる。褒められ慣れていないのか?それとも…大人の男に慣れていないのか…

「…良かった、信じてくれるんですね…石の事」

「ああ…君の様な素敵な子が願うんだったら、きっと叶うよ!」

「そうですか!?嬉しい…」

俯いて恥ずかしそうに微笑む姿…ますます僕は心が騒ぐ。いや…でも、ここいらで止めておかないと…都会を離れて早々、また二の舞になってしまう。

「僕、祥吾って言います。秋原祥吾。もし何かあったら、いつでも来てくれて良いからね!」

そう言うと、彼女は俯き加減のまま「…はい」とお辞儀をし、去って行った。

彼女の姿を見届けると同時に、妻が出掛けていて良かった…と僕は安堵した。

休みの日は、妻は新たに見つけた隣県のヨガスタジオまで朝から車で出掛け、レッスンが終わると、今度はレッスン仲間と夕方までファミレスで時間を過ごして帰ってくる。

趣味と言えるものが殆ど無い僕にとって、ふと現れた彼女の存在は…とても刺激的だった。

彼女…そう言えば名前何て言うのだろう…柴野さん家の孫だって事以外、何も聞けなかったな。何が好きだろう?趣味はあるのかな?どこの学校に通っているのだろう…好きな人はいるのかな?もし、いなかったとしたら…

再び覚醒しそうな欲情を抑えながら、僕は先程の、彼女の笑みを思い出して悦に浸った。

一度は失敗したが…今度はプラトニックな関係を築きたい。この村と一緒で、僕も生まれ変わるのだ。

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「秋原さんこんにちは!」

それから2日と経たず…ほぼ毎日、彼女は村で僕に会うと、自分から挨拶に来るようになった。

職場は村から外れた場所にあるから、柴野さんの家からは遠い筈なのだが…それでも、通学路がこっち側なのか、午後になると必ず彼女が事務所の前を通り、休憩中の僕に朗らかな声を掛けてくれる。

「ああ!学校の帰り?」

「はい、これから帰ります!」

「そうか!気を付けてね!」

神津来さんが亡くなって暫くは、弔いの為に村の空気が暗く感じたせいか…彼女の存在が光に思えた。穏やかで純粋で…笑顔が可愛らしくて…だからこそ、僕の心の中では、もう一つの欲求がくすぶっているのだ。

「ねえ!私…実は社の在りか、分かっちゃったの!」

湯船に浸かる僕に向かって、妻が普段よりもテンション高く言った。帰宅早々、一緒にお風呂に入ろうとねだられたのだ。

「買い物の途中でね、村の人で、柴野さんってお爺さんがいるのを見つけて、私話しかけてみたの、それでね、『いつか子供にも聞かせてあげたくて…』って話を振ったら、場所を教えてくれたのよ!」

「子供…か、でもそれって、誘導尋問にならないか?」

「そぉかな~」

少しだけ、癪に障る…僕は、あの子の口から聞きたかったのに…でも、場所が分かるなら、この際知っておきたい。

「で、そこは一体どこにあるんだ?」

「ふふっ…それはね…教えな~い!」

バシャン!と飛沫を上げて、妻が湯船に体をねじ込んできた。タプタプの肉…お前、本当にヨガやってんのか?って…え?

「お前…首元どうした?そのデカい絆創膏…」

「えっ!?これは…あの、虫に刺されたの!掻くと跡残るから…と思って…」

「…そうか」

その後…機械的にではあるけど、体をどうにか動かして妻を満足させ、自室で眠りについた。願いを叶える石…僕なら、何を願うだろう?例えば…

僕は彼女の笑顔を思い出しながら、寝間着のズボンに手を入れて、自分の身体を慰めた。

彼女の本意など、全く、考えもせずに。

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柴野さんの家には、もう既に幾つかの重機が入っているのが見えた。解体作業員が家財を外に運んでいて、植栽も刈り取られ、ゴミ袋に詰められている。

「ちょ、ちょっと待ってくれ!!!」

僕の大声に気付いた作業員がこちらを凝視する。

僕は「この開発の責任者だ」と言って、親方に少しだけ作業を遅らせるよう頼み、離れに上がり込んだ。

靴など脱ぐ余裕も無く…急ぎ足で次から次へと部屋を確認し、最後に奥の間に足を踏み入れた。

すると、そこには古そうな書物が積まれていて…僕は直感で、「この中に地図があるはず!」と、外からの「まだですかー!?」という不満げな親方の声を無視して、積まれた書物をバラバラと散らし、それらしき地図を探した。

そして探す事暫く…大判の書物の中からハラハラと、1枚の紙が目の前にゆっくりと落ちて来た。

「○○山詳細地形及び山道図」

と書かれた古い地図…見ると、そこには確かに、山の中腹部分にそれらしき印が褪せた朱色で示されていた。

「これ…これだ!」

地図を握りしめ、再び勢いよく階段を下りて外に飛び出す。

作業員が「いいんですかー!?始めちゃいますよー」と声を掛けてくるのを後ろ手にOKサインを出し、僕は一直線に山を目指した。

途中で何度も息切れをしたが、どうにか力を振り絞って山道を上って行くと…暫くして、地面が段々と砂利混じりになり、どこかひんやりとした空気が辺りに漂い始めた。

慎重に砂利道を進む…すると、目の前に、藁で編み込んだ様な注連縄が姿を現した。そして、目線を上げたその先に────

「…いた…」

砂利道の突き当りに、それはあった。

「社」というには余りにも粗末な…ボロボロの小さな木造物。そして、その前で佇んでいる彼女の背中…

「…来たんですね、秋原さん」

後ろを向いたまま、彼女は僕の事を言い当てた。何故僕だと分かった…?

「君は…」

「私?私はいつものように、ここにお参りに来ているだけです、村の平穏を祈って」

「嘘だ…!何で、なら何で…あんな事が起こるんだ!妻が…俺の妻が…」

2日前、妻から「山にお参りに行ってくる」と言われ、僕は何の気無しに見送った。

だが…その日の夜になっても一向に戻らず、深夜近くになってようやく着信があり、電話に出ると…

「山に来た筈なのに、知らない場所にいる、周りで沢山不気味な声がする」

妻がパニック状態で、そんな事を喚いていたのだ。

そしてそれを最後に連絡が途絶え、今も所在が分からない。

「奥様…ああ、あの人…」

「え…?」

「あの人、お爺ちゃんから此処の事を強引に聞き出したみたいね…お爺ちゃん、酷く憔悴してた…」

信じられない…!だって、あいつはそこまでする筈…子供の為だって…

「この村から早く出たいとか、何とかって女がムカつくとか、彼と一緒になりたい、とか…色んな事をブツブツ言いに来てた…ああ、そういえばその男の名前、秋原さんじゃ無かったよ?」

目の前がくらくらした。あの絆創膏…隣県までのレッスン…もしかしてあれも、嘘だったのか?

「な…何で…」

「知らない…でも、『御石(みいし)様』は、その願いの中の1つを叶えてくれたのよ…」

「叶える?…じゃあ、どうして!何で妻が…家や会社だって…君は、君はこの村の平穏を願っていたんじゃないのか!?」

妻だけじゃない…分譲の住宅もアパートも何もかもが、1、2週間ほど前から地盤の緩みで傾き、今じゃ自宅を含む新築の住居全戸が、住めなくなってしまったのだ。

「ええ…願っていたわ」

「だったら何で…!まさか疫病神なのか!?そいつは!」

「……」

「そうだろ…その石は、邪悪なものなんだろ!?だから悪い事が次々と────」

「邪悪?それは、誰にとっての邪悪?」

「そ、それは…」

「あなたは神様が、全て自分達の意思に同意して下さるとお思いなの?」

彼女の目は、俺の方をじっと見つめていた。最初に会った時の、あの光を宿したような瞳はどこにもない。まるで全てを知っている、悟っている…そんな、『眼』…

僕は、その場で彼女を睨む事か出来なかった。こんなものがあったが為に…でも、もしも叶うなら、託すしかないのか…?

「頼む…俺の…この村で起きた災いを、取り払ってくれ…」

ひざまづき、涙も拭わず…僕は、その社の中心に鎮座する、箱の中の「御石」に縋っていた。

「…秋原さん、『御石様』は、必ず願いを聞き届けてくださるわ…でもね…」

何を『災い』と思うかは、

神様が決める事なの─────

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僕が一体、何をしたというのだろう?

全体的に見れば、僕のした事には、多かれ少なかれ価値があった筈だ…村に人が増えれば、それだけ村だって存続出来るんだ。

確かに僕は、少々利己的だったかもしれない…現に彼女に対して、やましいと言われても仕方が無い感情すら抱いていた。妻との生活を味気なく思い、若さにつられていたのだから…

だとしても、何でこんな仕打ちを…何もここまでしなくてもいいじゃないか!

それでも神は、僕等の様なよそ者を、「災い」とみなしたのか…

「あなたー」

妻の声が聞こえる。何故?生きていたのか?

「あなたー」

「あなたー」

どこに行ってたんだよ…まったく─────

「…あれ、秋原さん…?おーい!秋原さーん!」

「え?秋原?…ほんとだ、どうしたんだアイツ…1人でフラフラと川の方に…なんかヒョロっとしてんなぁ、歩き方が疲れてるよ(笑)」

「…責任感じてんじゃないすか…?だって、せっかく開発が決まって順調だったのに…突如地盤沈下で、自宅も分譲の家も全部駄目になったんですから…他の住人も殆ど引っ越しちゃったし、事業所も撤退だし…はぁ、今日中にこの資料、全部運べるかなぁ?」

「しゃーねーよ、自然現象だし…お前も大変だったな、入社早々、こんな僻地に何年も配属なんてよ(笑)」

「まあ…そーっすね(笑)でも、凄く良い所でした…ここは、このままが良かったんですよ」

「ああ…でも、これから大変だぞ~!住人全員に賠償だの何だの…取り壊しだってしなきゃいけねえ…あ~寒いっ、昼間はあんな暖かい陽気だったのになぁ」

「先輩!そりゃ、この時期に夜まで半袖短パンは寒いっすよ!(笑)暦の上ではもう『立冬』ですからね~」

「お?やけに詳しいな若造の癖に(笑)」

「調べたんですよ!ほら、ここって、変な習わしがあったでしょう?影がどうとか…って、だから、冬の時期は気を付けようと思って…」

「そうか…あ、そういえば秋原、ここ最近1人でブツブツ、嬉しそうに何か言ってたけど…」

「そういや確かに…誰かと話してるような感じでしたよね?…って、怖い事言わないでくださいよ!…はぁ、重い…これ、お願いします」

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