家のそばに広い田んぼがある。
その中にポツンと200坪ほどの空き地がある。
ずっと前から気になる場所だ。
なぜかというとその付近だけカエルの鳴き声がしないから。しかも長年空き地なのに四角い形で草が生えない場所があった。
あるよく晴れた早朝、散歩をしてその空き地を通りかかった。そしたら草の中に鉄の残骸が放置されているのに気がついた。
よく見ると三輪車のようだ。
それは赤さびて長い月日を感じた。
立ち止まっていると生温かく酸っぱいにおいが立ち込めてきた。
気味が悪いので足早に家に帰った。
その夜夢をみた。
大きな家の中を幼い姉妹と男の子が何かから逃げている。
3人ともいきなり立ち止まったかと思うと、白目をむいて血を吐いて倒れた。
それから時間が早送りのようになり、すぐに彼らの体は腐りウジがわいた。
そこで目が覚めた。部屋には空き地でかいだ酸っぱいにおいが充満していた。
悲しい気持ちに包まれ、いつの間にか死ぬことを考えていた。
そのあと何度か同じ夢を見て同じにおいがした。
何かあると思い調べたら、ある事故物件サイトにたどり着いた。
そこにはかつて家があり、5人の家族が住んでいた。
ある日両親が出掛けて、留守番していた幼い子供3人が侵入してきた者に刺殺されたらしい。
今もで田んぼの中にその空き地はあります。
また夢を見るのだろうか
作者すず