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短編2
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彼女と2人で漁港で夜釣りをしていた。

釣りをしていると野良猫が寄ってくることはよくある。

その漁港でも猫がいて、数匹が寄ってきた。

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ただ、漁港の猫にしてはあまり人馴れしていないようで、一定の距離を保っている。

「普段から魚盗ったりして漁師さんとか釣り人から怒られてるんだろうな」

そう思っていた。

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しばらく釣りをしていると、数匹の内1匹の猫が少し近い位置にいることに気が付いた。

近くとは言っても常に5mほどの距離を保ち、

こちらが近づくとその分だけ離れていく。

その猫は他の猫と比べてなんだか体が少し大きく、しなやか、というより筋肉質でたくましい脚をしていた。

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釣りの最中、ルアーを交換しようと常夜灯の下まで行って腰を下ろす。

その猫もついてくる。

常夜灯の灯りが自分と少し離れた猫を照らす。

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ふと猫の方を見た。

なんだろう。なにか違和感を持った。

猫の体つきだけではない。

何か、不安を掻き立てられるような違和感を。

そして気が付いた。

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眼だ

猫のソレにしては横長で瞳の割合が大きい。

猫っぽくない眼をしている。

そう.....あれはまるで.......

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shake

人の眼だ

ゾッとした

なんだあれは

その猫はジッとこちらを見つめてくる。

その眼は人間の男のもののように感じた。

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恐ろしくなり俺はその猫を追い払おうか迷っていると、

彼女「大丈夫?」

少し離れた所で釣りをしていた彼女から声をかけられた。

俺「なにが?」

そう聞くと彼女はこんなことを言った。

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俺の様子を見ようと振り向いた。

すると常夜灯の下で俺が腰を下ろしていたのだが、

その俺のすぐ横を猫の影だけが歩いていたという。

猫の姿はなく、猫の形をした影だけが常夜灯に照らされた地面の中を。

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その後すぐ釣りをやめて帰った。

もうあの漁港に夜行くのはやめようと思う。

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