私の母は、所謂「見える人」です。
私が心霊番組を見るのを見て「うわフェイクよコレはw」と笑います。「心霊動画100連発!!」とかの場合は特に。しかし誰かのお宅に訪問して除霊したり、人形が沢山奉納されている神社の映像が出ると、決まって真剣そうに観るのです。
「何が見えてるの?」と私が言うと決まって「んー……色々。」と答えるので気になり、「あの中で生きてる人形って何人ぐらいいる?」と神社の映像が流れている場面で訪ねました。
「あれとあれとあれと……15人くらい。蔵の中にもしまってあるから詳細な数はわからないけど」と軽く言っていました。わかるもんだな〜と思っていた私でしたが、ここまでは実家ではよくある話です。
そして次の映像に入った所で母が眉をひそめます。それは家に何かがいるというのを除霊するもので、畳の居間の映像が写っていました。
私が「何が見えるの?」と言った数分後、眉間にしわを寄せて画面も見ず、唸る様に母は答えました。
「ただれた人……いや、人じゃなくて、人と獣とまだまだ色んな種類のが……ぐちゃぐちゃに混ざり合った三つ巴の何か……まぁ三つ以上だけど。吹き溜まりに、溜まりに溜まったヤツ。アレぐらいじゃ祓えない何か。」
アレとは、霊能力者や神主さんを指す……という事はそれぐらいでは祓えない、しかもお祓いの最中なのに画面越しとはいえ未だ母にハッキリと見えている程の、ぐっちゃぐちゃのグロテスクな何かがあのお宅を這いずり回っているのか……と考えると、少し気持ちが悪いなぁと感じた出来事でした。
どうやらテレビはやらせだけでは無い様です。
作者松
たまーにこういう事があります。
テレビに映ってるお宅に「居る」のが一体だったりする時は母は何も言わずにテレビを消してご飯食べるよだの「テレビに映ってたアレ」はまだどうでもいいだの言ってるんですよ。
しかしまぁ……三つ巴合体ヘドロタイプは初めてでした。