中編3
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電話(前編)

今回は怖い話あるあるのトップに入りそうな電話の話をします。大学生になり一人暮らしを始めた知人のBくんの話。

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Bくんは親からの仕送りがあるとは言え、大学生であるため安いアパートに住んでいた。そのためか、固定電話があった。黒電話のようにダイヤル式ではなく、ボタン式の白い電話だった。そして、どういうわけだか線は繋がれていない。というより線すら無かった。

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Bはその電話のことが不審になり不動産屋に問い合わせた。

「そちらの物件は古いものでございますので、物が残っている可能性はあるとご説明したはずですが。」

「はい、それは承知しておりますがいわく付き物件ということは無いですよね?」

「はい、以前の入居者からも他の部屋に住んでいる方からもそのような連絡は一切ございません」

とのこと。

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大家にも聞いてみたが、幽霊騒ぎは起きたこともないしそもそも事故物件ではないと言われた。その固定電話は処分しても良いと聞いたのでBはさっそくゴミ捨て場に行った。

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ポーンと電話をゴミ箱に入れた時に奇妙なことが起きた。「その電話お捨てになるのですね」と背後から声をかけられた。振り返ったが誰もいない。「確かに声をかけられたんだけどなぁ」そう呟いてBは家に帰った。

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鍵を開け部屋に入る。やることも特にないから寝転がりケータイをいじっていた。何とは無しに「〇〇アパート」と自分のアパートの検索をしてみた。すると気になる記事が発見された。

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「要注意物件。〇〇号室呪われた固定電話あり」と見出しにあったのだ。しかも今自分が住んでいる部屋の号室であった。

その記事によると〇〇号室(自分の部屋)だけに謎の固定電話がある。そこに住んだ人は必ずそれを捨てに行くのだが、その後に必ず電話は家に戻ってくる。それが気味悪くなり住人は再度捨てに行く。しかし戻ってくる。捨てても捨てても戻ってくる。戻ってくるごとに異変が起きる。

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例えば何も触れてないのに電話から声が聞こえてきたり、夜通し窓ガラスを誰かに叩かれたり。その他にも深夜にインターホンが鳴り出ても誰もいないとか洗面鏡に黒いものが映るなど。実に多種多様なことが起きた。

引っ越せば良いじゃないかとBは読みながら思った。しかし引っ越しはできなかったらしいと記事には書かれていた。その理由は書かれてなかった。

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ネットの記事だし嘘かもしれないとBは思い、その後は適当に時間を潰し眠りについた。翌日大学に行き夕方家に帰ると例の電話があった。「本当に戻ってきた」「なんとかしなくては」とBは思い、その電話を捨てに行こうとした。それでも昨日の記事のことが頭をよぎり捨てるのはやめた。どうしようかと考えていると「ポンポン。プープー、一件です」と留守電が鳴った。

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「出してくれー!!出してくれよ!!」と大きな声で言われた。電話の線はしていないのに、、、

『有り得ない。これは絶対におかしい』とBは思った。捨てるわけにも行かないし、とりあえず電話機を手に取り調べてみることにした。

電話機の下にある蓋の隙間に紙が挟まっていた。『もしや』と思い引き抜くと。やはりお札だった。

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そこでBは同じ大学の友人Aに相談した。Aのおじいさんは住職だったので詳しいだろうと思ったのだ。そして電話のことから例のサイトのことも言ったが、Aの携帯で検索しても出て来なかった。しかし、Bから貰ったスクショはきちんと表示されていた。そこでAは「URLを送ってもらえるか?」と言いBに送らせた。

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Aは送られたリンクを開いたが「このページは存在しません」と出た。色々と不審なことが多くBのことが心配になったため、AはBの家に泊まりに行くことにした。Bも1人で不安だったためAの申し出は嬉しく、是非来てくれと返事した。

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続きはまた書きます。次はAがBの家に来たときの話をします。

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