今日は友人の結婚式。
中学からの付き合いのあるコウヘイが晴れて結婚するのである。
参列者にはユウジとチカちゃんもいた。
そして俺の彼女、レイミである。
結婚式が始まるまでのあの独特な空間。
会社の同僚、旧友、現在の付き合い。
色んな繋がりの人が集まり、中学の同級生や共通の知り合いに自分の彼女を紹介したりして、もうワケわからん状態になる。
まぁ、そんなことでも楽しかったりする時間である。
俺はレイミに釘をさして置いた。
お祝いでめでたい日だから、
仮に何か見えても、見える発言はしないようにと。
見えすぎてもシカトぶっこけと。
慎重に告げた。
レイミはそれはそれは可愛らしく
「うん。分かったよ。花嫁さん楽しみだなぁ。」
なんて少女の様にしてはしゃぐ。
いつもと違う髪の毛、アップスタイルでネイビーのワンピースドレスに身を包んだレイミは誰よりも可愛い。
抜群の可愛さである。
正直、新郎新婦よりこっちばかり見てしまいそうだ。
時間が来た様なので、チャペルに入る。
ユウジとチカちゃん。そして俺とレイミは新郎側に座る。
新婦とも交流はあったが、元は新郎コウヘイの友人だ。
胡散臭い日本語を話す外国人の神父。
怪しい日本語の割には難しい言葉をつかう。
「ビジネス片言」であることを俺は知ってるぞ!!
下らない思案をしながら、
何やら苦手ないつもの歌を、その場の人間全員が知ったかぶって歌う。滑稽である。そして式は進む。
新郎がいつもより格好良く見える。
男はこういう時、口では言えないが結婚に憧れ、肯定的になる。
俺は何故かレイミの手を取っていた。
新婦入場。
新婦が父親と腕を組んでバージンロードを歩く。
何とも言い難い緊張感と感動。
新婦側の女友達からは早くもすすり泣くような気配を感じる。
やっぱりいいあな。
俺が見とれてうっとりしていた時、
レイミがこう言った。
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「あれ?花嫁さんって最初から、ずっと新郎さんの横にいるよね?」
作者オリオトライ