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短編2
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朝の山

最近起きた話をする

これには幽霊は出ない

少し下品な、卑猥な表現があるので注意して欲しい

私は朝、日が昇らないうちにある山に向かっていた。

何故山に登ろうと思ったのかは不明だ

時々、発作的に山に登ろうという思いが湧き上がって来る

その山にはひと月に最低1回は登る程度の山で、深夜に登った事もあった。

その日は結構霧が濃かった

視界は2mあるか無いかくらいだった

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山の中腹くらいにまで来た頃かな

ちょっとした広場みたいになってる場所があった

そこでちょっと休憩

かなり疲れていたので、休憩する時は周囲を軽く見渡し、座る場所を確認した程度で座り込んでしまった

この時にもう少し確認しておけば...と今となっては少し後悔している

握り飯を食べ終わり、よし行こうと思って立ち上がろうとした時だ

「フーッ…フーッ」と荒い息づかいが近く、右の辺りから聞こえている事に気付いた。偶に「ンフッ」とかいう息が漏れる様な音も聞こえる

また、何か濡れたものを擦り合わせる様な音も聞こえている

shake

右手の方に何かが居る。

運の悪いことに、霧が晴れて視界が良くなってきている

顔を動かさずに目だけを動かし、どのような者が存在するのか確認しようとした

ちょっと目を右に動かす

何かが居た。

猛烈な怖気が足元からものすごい速さで身体を這い登る

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ソレは男だった

何かの布切れで上半身のみを包んだ男

下半身、というよりへそから下は何も身につけていない

ソレは自慰をしていた

私を焦点の合わない目で見つめながら

動けない私

焦点の合わない目で見つめながら自らの逸物を弄る男

それが何分続いたのかは分からない

5分だったのか、30分だったのか

怖かった点は焦点の合わない目だったのが時間が経つにつれてこちらを明確に捉えている様になっていった点だった

しかし、それが最も怖かった事では無い

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ソレからどうやって逃れたのかと言うと、登ってきた人が居たおかげである

登ってきた人の足音か熊鈴の方へ警戒心を向けたのか、私から視線が少し外れた

男の人が登ってきて、

「お前なんや!どっか行かんかい!」

か何かしら叫び、追い払ってくれたのだ

勿論直ぐに下山し、家に帰った

山がトラウマになりそうである

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最も恐怖を感じた所は別のことだと前に書いた

最も怖かった点は

近くにズボンを脱がされ、うつ伏せに倒れた男性が居たからである

外見上怪我は引っかかれたような傷のみだった

それを見た時、胃の中のものを全て吐き出してしまいそうだった

自分がもしもっと早く登っていたら...と考えると震えが止まらない

それから今もだが、知らない男性に対して恐怖を感じる様になってしまった。

Concrete
コメント怖い
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