短編2
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居間の辺りの知らない女

18の頃の話をしよう

なにぶん書くのは初めてなので拙い文章で、そこまで怖くないのだが、堪えて欲しい

あの時私は

トイレに居た。

うん。トイレだ。

深夜2:00頃に母屋のトイレに篭っていた。男の癖に便秘になりやすく、よく篭っていた

この時母屋に居たのは私だけだった

ゲームをしていた。夜更かしして

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話を戻そう

その時は結構強い雨が降っていた。雷鳴も聞こえていた

トイレに篭っているとだ

居間の辺りから姉の声が聞こえた

「はよう寝ぇや〜」と

私は勿論「わかった〜お姉ちゃんもはよ寝ぇやー!」と返事をする

直後、違和感

姉は大学の部活の3泊4日の合宿に行くため昨日の朝に出発していて、目的地に到着したと昼頃にメールが来ていた

なぜ、姉の声がした?

なぜ、ここに「いつまでトイレに篭ってんのよ〜」

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ケツを拭きながら(汚い表現失礼します)考えていたらまた言ってきた

何か違う

姉の声はもうちょっと深みがある

この声は誰か知らない人が姉の真似をして出している

なんだか猛烈に腹が立った

当たり前だ。友人に「お前は姉方面に傾いたシスコンやなw」と言われた位だ。(知るかよ)

トイレから出た

何か 居る。

腕時計の蓄光針は2:30を指していた

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トイレに行く時に居間の電気は点けたままにしていた

なのに電気は消えている

「ねぇ」

「分かっているんでしょう?」

耳に絡みつき残るような、しかし優しげな声が聞こえる

姉の声とは全く違うが、さっきの声と似ている声

「聞こえてるんでしょ?」

優しげなのに背筋が凍るような声だ

「あなたはなんのためにここに居るんだ」

そう聞いた

ふわりと甘い香りが鼻腔を擽る

雷鳴が轟く

「■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■」

何を言っているん

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ふと気づくと誰も居なかった

時計は3:00を指している

意識が飛んでいたようだ

暗闇に目が慣れ、ちょっとは部屋の状態が分かるようになった

誰も居ない

何かの気配も消えている

後ろを振り返る

誰も居ない

前を見る

誰も居ない

女が立っていた所から濃厚な甘い香りが漂っている

床は乾いている

周辺を調べていたら

雷が近くに落ちたのか、凄まじい音と光が部屋を包んだ。

一瞬の閃光の後、濃厚な暗闇が当たりを覆う

強烈な不安と恐怖に襲われた

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それからというもの、偶に街でその匂いがふと漂ってくる時がある

誰かが付けた香水か、よく分からないが。

猛烈な不安に包まれ、立つのがやっとな状態になる

おそらく1人だと膝から崩れ落ちてしまうと思う程度には

また、夜の雷が恐ろしくなり

泣いてしまう事もしばしばである

あの女は何者だったのか

Concrete
コメント怖い
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