短編1
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昼下がり

今は廃刊してしまったけど

「ハロウィン」という月刊の漫画雑誌を愛読してた

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中2の夏、昼下がり

部屋でハロウィンを読んでいた

巻頭カラーページは、スプラッタ映画特集

あまり興味がなかったが、

へー

こんなのはやってるんだ

ページをめくろうとした時

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ーミシッ ミシッ ミシッ・・・

畳の上にひいていたカーペットの短い毛がへこむ

なにかの歩みに合わせて

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どうすることもできず

ただ、目をそらしたら負けだと思った

カーペットのへこみとゆっくり近づいてくるきしむ音

息がくるしい

冷たい汗が背中を伝う

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「・・・おもしろいか」

低い、だが笑いを含んだ男の声が右の耳元でした

吐息がかかったような気がした

ここで返事をしたら、記事と同じようにバラバラにされると直感した

息を止め、無言で部屋の入り口をにらむ

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ーミシッ ミシッ ミシッ・・・

畳の上にひいていたカーペットの短い毛がへこむ

なにかの歩みに合わせ、遠ざかっていった

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バタンッ!

部屋のドアがたたきつけられたように閉じた

Concrete
コメント怖い
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