中編6
  • 表示切替
  • 使い方

家族旅行とホテル

まさかね・・・

夏休みに家族12人のディズニーランドへの旅行をした

子供たちのはしゃぎようは親としては旅行をしてよかったなと思った・・・

問題は今夜泊まる旅館だった

夏休みに子供たちのために思い出を作ろうと私たちは1泊2日の旅行の予定を立てた

しかし・・・なかなか予約が取れない

まぁ・・・総勢12人の大所帯・・・

8月の夏休みの間に旅行をしたいという少し無理な計画だった

12人も一堂に集まれるのはやはり夏休みしかない

子供たちの希望でディズニーランドに行くことにした

6月に旅館の探索をはじめた

ディズニーランドに近い旅館はほぼ予約で埋まっていた

おふくろが「財閥系の旅館なら私の口添えで直ぐに取れるけど・・・」と言ってくれたのはありがたいがその旅館のスタッフに余計なストレスになるので断った

7月に入りなんとか12人分の予約が取れた

「予約が取れた」と子供たちに報告したときに子供たちは歓声を上げた

10人乗りのハイエースも早めに予約をした

8月に入り旅行当日

無事にディズニーランドへの行程は無事に終わった

子供たちの興奮冷めやらぬままホテルへ向かった

ディズニーランドからおよそ1時間ほどだ

チェックインしてそれぞれの部屋へ入った

夕食時までは時間があったので全員、ホテルの周囲を散歩することにした

そして・・・家族にとって一番見てはいけないのものを見てしまった

ホテルの騒々しい表側から裏へ回った時に全員が足を止めた

ホテルの裏側は霊園墓地だった

楓の表情が一瞬にしてこわ張り楓の様子の悪さから早々にホテルへ戻った

楓の調子が悪いので和尚様のお薬を飲ませオヤジに楓の背中を叩かせた

1時間ほどで楓の調子も良くなり夕食をした

夕食も終わり私とS君とオヤジは子供たちの部屋から市内の夜景を楽しんだ

子供たちも夜景の美しさに目を輝かせていた

時間ももうそろそろ23時ごろ

おふくろが来て子供たちに「もうそろそろ寝る時間だよ」と優しい言葉をかけた

私はホテルの裏の霊園墓地と楓の様子が気になりオヤジにこの部屋にいるように頼んだ

やはり・・・というか怪奇現象が起きた

私とS君が昔の思い出話をしてる時にオヤジが来た

隣の空き部屋から人の声がするとのこと

とりあえず私とS君は子供たちの部屋へ行った

子供たちは全員起きていて壁を見つめていた

オヤジに隣から音がするからと言うので耳を壁に近づけた

しかし、音はしていなかった

「オヤジ、音はしていないぞ」と言うと

「いや・・・そんなはずはない」と言いオヤジも壁に耳を当てた

「そんな・・・今さっきまで人の声がしていたのに・・・」とオヤジは怪訝そうな顔をした

しばらくおそらく30分経ったころ

いきなり隣から

ドン!!!

と壁を叩く音がした

全員が一斉に壁に注目をした

隣から人の声が聞こえだしたのだ

余りにも騒々しいのでオヤジが隣へ文句を言いに行こうとした時に私は止めた

オヤジが絡めば必ずトラブルになる

私は部屋からフロントへ事の経緯を話しをした

フロントのスタッフから信じられない返事が返ってきた

「隣の部屋は予約が入っていないから誰もいないはず」だと言ってきた

私はすかさず今の状況を話をした

スタッフが部屋へ来るように頼んだ

しばらくするとスタッフが部屋に来た

スタッフに壁に耳を近づけるように頼んだ

「あのぉ・・・何も聞こえませんが・・・」とスタッフの声

「そのうち・・・聞こえてくるぜ」とオヤジ

30分後・・・・

ドンドン!!!

壁を叩く音がした

スタッフもびっくりして飛び上がった

「そんなはずはない・・・隣は誰もいないはず・・・」とスタッフの独り言が聞こえた

「一応・・・隣の部屋のカギを持ってきているので確かめてみます」とスタッフは隣の部屋へ

オヤジと私も一緒について行った

結果的には誰もおらず

スタッフは上司に報告するためにフロントへ戻って行った

私たちはもう我慢も限界がきて早々にチェックアウトしようとフロントへ行ったのだがスタッフが呼び鈴を鳴らしても誰も来なかった

仕方なしに宿泊代金を封筒に入れてフロントの机の上に置きホテルを出た

このホテルの恐怖もあったのだがさらに半年後、正月のTVを見て私たちはさらに恐怖を覚えた

珍しく正月に心霊特集を放映していたので私とS君は興味を持ち見ていた

もちろん深夜番組だ

リビングで正月休みを満喫していた

オヤジが酒欲しさにリビングに来た

冷蔵庫を覗いてゴソゴソとしていた

番組も半分を過ぎた頃

私とS君は目が点になった

「おい・・・ありゃ・・・あの封筒・・」とS君が絶句した

「え・・・何で・・・」と私も息が止まりそうになった

番組の中で廃墟ホテルの特集をしていた

タレントがその廃墟ホテルのフロントでこのホテルの説明をしていた

その時にカメラに確かに私たち家族が置いていったあの封筒が映し出された

それを見て私とS君はびっくりしたのだ

さらに驚いたのはその廃墟ホテルはもう10年前に廃業していたということだ

「いや!そんなはずはない」とS君が叫んだ

確かに私たち家族は半年前の8月にそのホテルに泊まったのだ

その証拠に宿泊代金の封筒が映しされていたからだ

もう狐に包まれた感じだ

「おい・・・おい・・・」とオヤジもTVを見ていて驚いた顔をした

「俺たちが泊まったホテルはありゃ何だったんだよ」とオヤジはTVを見てつぶやいた

家族全員が狐に化かされたのか?

そんなはずはない

夜景も見たしホテルの食事も食べた

泊まった部屋の隣の音も聞いた

これ全部、嘘だったのか

翌日に家族に深夜番組のことを話をした

ところがオヤジと私とS君以外、8月に家族旅行など行った記憶はないと言い出したのだ

あの大はしゃぎをした子供たちも行っていないと言い出した

子供たちが言うには「その日は子供たちの夏休みの一斉集団登校で旅行など行けるはずはない」と言い出した

私は葵にも聞いた

「パパ・・・大丈夫?あの日はね、家にずっといたんだぞ」

「え!?・・・ずっと家にいた?」

「そうなんだぞ!SおじさんとF子おねえちゃんはいなかったんだぞ」

「そうだよ、パパ!本当に大丈夫?私や兄ちゃんたち学校へ行ってたんだよ、どうして旅行など行けるのさ?」と楓が聞いてきた

どういうことだ?

TVではちゃんと宿泊代金の封筒が映し出されていた

子供たちは学校へ行ってて旅行など行っていないという

私はS子に聞いた

「おっちーー!!パパ!旅行の計画は立てたけれど結局予約が取れなかったんだぞ

「え!?・・・予約が取れなかった?・・・」と私はさらに訳が分からなくなっていた

「でも深夜番組では宿泊代金の入った封筒が映し出されていたんだよ・・」と言うと

「うそぉーー!!よく似てたんじゃないの?」

「いや!そのレポーターが封筒を見つけて手にもって封筒の表裏を見せていたんだ

裏に名前が書いてあったんだよ、絶対に旅行へ行ってるはずなんだ・・・」

「おっちーー、でもそのホテルって10年前に廃業してるんでしょ、どうして泊まれるのさ?」

「いや・・・そんはずはない」と小声で私は自問自答した

S君とオヤジも黙り込んで考えてるようだった

「俺が撮影をしていたのか・・・あの日にね・・・」

「Sアニキ、本当に大丈夫?あの日はママの実家の敷地内で撮影してたじゃない」

「いや・・その記憶はないんだよ、F子・・・あるのは旅行の記憶なんだ」

「え・・でも・・・あ・・・じゃあ、あの当日に写していた写真があるから、ちょっとまってて」とF子は慌ててスマホから写真を探していた

「え・・・!!なにこれ・・・私が全然写ってない・・写っているのは楓ちゃんや葵ちゃん・・・ここどこ?まさか・・・これってディズニーランド!?・・・」とF子は驚いた声を上げた

「え・・・おふくろの屋敷で撮影してたんだろ・・・」と言うと

「私の記憶ではね、撮影をしてたはずなのに・・・」とF子はスマホの写真を見ながら黙ってしまった

何かがおかしい

あの日は何かが起こっていたのか?

もうさっぱりわからん

家族全員

「訳がわからん」

夢?・・・でもスマホにきちんとディズニーランドの風景が写っていた

日付も合ってる

TV番組では宿泊代金の封筒が確かに映し出されていた

子供たちはディズニーランドへ行った記憶はないと言ってる

しかし、F子のスマホには子供たちが写っていた

これをどう解釈したらいいのか?

Concrete
コメント怖い
2
3
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ

@アンソニー
不思議というか狐に包まれた感じ
一応「夢」を見たのだろうという感じで納得するしかない
私とホテルへ行った家族は本当の家族だったのか・・・
しかし、TVで宿泊代金の封筒が放映されたということは本物の家族なのかな

返信