私の祖父は将棋が好きで、祖父の部屋に大会の表彰もある。かくいう私は当時将棋なんて全く興味なかった。そんな祖父は晩年東北にすんでいるという友人(松島さん)と手紙将棋をしていた。祖父は昔奨励会(プロ養成機関)に所属していて、相手はそのときの戦友らしい
2人とも年齢制限でプロにはなれなかった。
しかしある日を境に手紙は届かなくなった。祖父は心配になって、車で葉書の住所の場所へ行った。
表札は「松島」となっていた。インターフォンを押すと40代の女性が出てきた。
「あれ?私松島さんに奨励会時代にお世話になった……」と言うと女性は
「もしかして、葉書で将棋されてた方ですか?」と言った。
祖父は「ええ」というと
女性は「父は4ヶ月前に亡くなりました」と言った。
その人の娘さんらしい。祖父はおかしいと思った。だって2か月前まで手紙は届いていたのだから。
祖父は不思議には思ったが、怖くは思わなかったようだ。
あれから十数年祖父は亡くなったが、葉書は棺にいれてたきあげようとおもう。
ただ将棋の駒は私も友人と将棋を始めたので待ってほしい。
作者ばしょー