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ドアを開けにくるお爺さん

短編2
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ドアを開けにくるお爺さん

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俺はぼっち大学生だ。

都内に住むため物件を探しに行ったんだ。

そんな感じでトントン拍子に内覧を終え、都内駅付近にあるにも関わらず激安なのだ。

安すぎないかと理由を調べて見たが、心理的瑕疵や設備の弱さなどしか出てこなかった。

しかし心理的瑕疵とも書いてなかったし、それはないと思った。

まぁまぁ外観も良いし、全然関係ないな。

部屋に入ってみるとまぁまぁぼろっちい。見た目はよかったのにとがっかりした。

しかし、設備(お風呂や水道)などは可もなく不可もなくという感じだ。

しかし二日目に事件は起きたんだ。

玄関からカキカキという音がするんだよ。

shake

まじ怖えよとか思いながら見に行ったんだよ、、、。

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あ、爺さんだと。

知らない人だった。

入ってはないのだが鍵をかけ忘れていたのでチェーンのとこで止まっていた。

開かない開かないと言いながら、入ろうとするのだ。

怖すぎる。

そう思い咄嗟に通報した。

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この爺さんは隣の棟に住む、爺さんだと判明したのだ。

家族は爺さんを見捨て、爺さんついでに頭と心の病気に罹っていて、一階の3つ目と覚えていたらしく、俺の部屋と隣の棟の違いはわからないようだった。

仕方ないし、可哀想だし、何故か同情できた。失礼だが家族は最低だなと。

なので次来たら助けてやろうと思った。

まぁ来るのは日常茶飯事だったし良く感謝されながら隣の棟へ送って行った。

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しかし訃報が自分のスマホに入る。

爺さんが死んだ。

言葉も出なかった。

毎日やっていたので愛着というか介護してるやり甲斐?

みたいなのがあり悲しかった。

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ガンガンゴンゴンという音で目が覚めた。

タカコふざけるなー!タカコふざけるなー!

というはっきり聞こえる怒号が鳴り響いた。

しかし周りには聞こえていないようで、住民からの怒号は聞こえない。

そして、恐ろしい事実に気付いた。

貴子という名前聞き覚えあるんだよ。

そうひいばあちゃん。

因果関係があるか知らないけど、母に聞いた話、曽祖母は性格が中々で夫の曽祖父が病気になった際お見舞いは行かず、病気になりまともに喋れない爺さんに嫌気が差し、アパートで曽祖父に暮らせと言いほぼ幽閉させたんだよ。

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そんな頭おかしい奴と血が繋がってるのは気持ち悪いし、爺さんと関係あるか分からないしあの時の声があの死んだ爺さんなのかは全くの謎だし、でも運命というか因果というか因縁があるなぁと思っていた。

でも俺は爺さんは俺の親族だと思う。

実際爺さんは怒りに満ち溢れていただろう。

コップに幾分にも注ぎ込まれているコーヒーにまた砂糖を足し溢れると同じように。

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