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短編2
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蜘蛛

日に日にやつれていく友人。

なにかあったのかと心配しても、友人は最近食欲がないんだとそれ以上の事は話そうとしない。

でも、休みがあけて学校に登校してきた友人はさらに痩せこけていて、まるで骸骨みたいだった。

俺はそんな友人を喫茶店に呼び出して話すまで帰さないぞと真顔で凄んだ。すると友人はしかたないといった表情で話してくれた。

「これは病気とかじゃないんだ。俺は蜘蛛をな。でかい蜘蛛を殺しちまったんだ」

「蜘蛛?」

友人は店員を呼ぶとコーヒーとサンドイッチを頼んだ。

「たぶん、言っても信じてもらえねーだろうから見せるよ。俺は蜘蛛に呪われちまったんだ」

「呪われた?」

友人はサンドイッチをひとつまみ千切ると、マスクをずらして自分の口の中にほおりこんだ。

すると、シュルシュルシュルと奇妙な音がして、友人の両方のほっぺたが膨らんだりへこんだりを繰り返した。

「お、お前、食い方気持ちわりーな…」

俺が素直な感想を述べると、友人は「ばーか、俺が食ったんじゃねーよ」と、口をパカっと開いた。

すると友人の口の中は、奥が見えないくらいにびっしりと繭のような白い糸で埋め尽くされていた。

「お、お前なんだよそれ?!」

そして、その繭を掻き分けるようにして奥からゆっくりと赤黒い蜘蛛が顔をのぞかせた。

「な、俺、呪われてんだろ?こいつが口に入れたもんを全部横取りしちまうんだ。

食っても食っても、いくら食ってもダメだ。

それにこいつは食えば食うだけ大きくなってきてる。このまま成長されたらそのうち俺の口ん中がどうなるか…想像もしたくねーよ。ああ、蜘蛛なんか殺すんじゃなかった。俺、死にたくねーよ」

俺はそれを聞いて、友人には申し訳ないが、なんとかこの場から逃げだす方法はないかと考えていた。

Concrete
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