ある峠での出来事〔実話〕

中編3
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ある峠での出来事〔実話〕

 これは今から20年以上前の話

僕はまだ高校生で、バイクの免許を取りたてで、嬉しいあまり仲間5人で、峠の山道にツーリングに行く事になった。

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5人が揃ったのは既に夜だった。

まあ皆それぞれ受験前とか忙しかったので仕方なかったのだが、、、

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夜中の山道を進む

ゴールは峠の茶屋で、当然そんな時間に店は開いてはいないが。

店の前に自動販売機が並び、ある種のオアシス的な場所となっていた。

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程なくして、自販機に到着した。

皆、バイクを降りて缶コーヒーを飲みながら、将来についてなど、あれこれ話した。

しばらくして、仲間の1人が、自販機の横に獣道がある事に気づいた。

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人ひとりが歩ける幅の狭い獣道で、砂利道を歩く音だけが聞こえる、ジャリ、ジャリ。

そのまましばらく5人でつらなって歩いた。

先頭は僕だった。

20分ぐらい歩いただろうか、、、

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すると、すぐ後ろのA君が、

「これ以上行っても何も無いし引き返そう」

そう言い出した。

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確かにそうだな、僕も皆もそう思ったのか、

反対意見は無く、そのまま回れ右で引き返すことになった。

僕は、行きは先頭だったから、帰りは最後尾って事になる。

夜中の獣道で、後ろには誰も居ない。

その状況に背筋がゾクゾクする。

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その時だった

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確かに女の声で

「何してるの?」

と聞こえたのだ、間違いない、それも耳元で

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shake

う、嘘だろ、マジか、怖え〜

そう思ったが、すぐに冷静になる

最後尾だ、、、

今騒いだら、前に歩いてるコイツら絶対走って逃げるだろう、何か追いかけてきたら、最後尾の自分が1番やばい、そう思った。

今にも、声を出しそうなぐらい怖い、間違いなく後ろに気配を感じる。

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はぁはぁ

心臓がドクドクし、息が上がる

気が遠くなりそうだ、今にも走りたい気持ちを必死で抑えて冷静を装って歩いた。

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何とか自販機まで戻って来た。

それからは、ほとんど話さず、急いで下山した。

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山のふもと、町まで降りて来た頃には、もう朝になっていた。

仲間との別れ際、あの山での、あの女の声について話そうと思った。

僕が話そうと口を開いたその時、ほとんど同時にA君も何か言いたげなそぶりを見せた。

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僕達は2人顔を合わせて、どちらからでもなく「聞いたよな」とそう言い合った。

で、何て聞いた?

2人同時に声を発した。

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「なにしてるの?」

だよな!

聞いていたんだ!

そう、あの時A君もあの女の同じ声を聞いていたのだった!

なぜ言わなかったのか、それはA君もマジで怖かったらしく、それでも皆が普通なんで、その場がパニックになるのを避けて、言わなかったとの事だった。

しかし

これで、聞き間違いでは無かった事になる。

その後、僕もA君も、他の仲間も、特に何も変わった事は無い。

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真冬の夜中3時の獣道、誰かが居るわけもなく、人間以外の何かが居たのは間違い無かったのだと思う。

あれは一体何だったのか、A君とは今でもその話をするのです。

END

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