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俺が中学の時の話し
俺には、かっちゃんと言う友達がいた。
かっちゃんとは母子家庭という点や、一人っ子同士と言う点など、共通点も多くいつからか、自然と毎日のように遊ぶようになって行った。
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遊ぶと言っても、日中はどちらの家も母親はパートに出ているため、家には誰もおらず、お互いの家に行き来しながら、母が帰って来るまでの時間を一緒に過ごしていた、と言うのが正確なかもしれない。
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そんなある日、かっちゃんが帰りに、一度自分の家に帰ると言い出した。
特に気に留める事もなく、「じゃ後で」と言って別れた。
しばらくすると、かっちゃんからLINEが来て(ごめん行けなくなった)と連絡が来た。
何かあったのか心配になり、LINEで聞いてみるが、既読にもならない。
怒ってる?
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心当たりと言えば、昨日かっちゃんが推してる〇〇と言う漫画を面白くないと批判してしまい、言い合いになった事ぐらいだった。
とりあえず、明日学校であって話そうと思い、LINEで(明日は家に来て)とだけ打って返した。
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その夜の事だった、かっちゃんのお母さんから電話があり
「勝行は今日交通事故にあい、亡くなった」
と言うのだ。
俄には信じる事は出来ず、とりあえずかっちゃんが運ばれたと言う病院に向かった。
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病院にはかっちゃんのお母さんが泣き崩れており、詳しく話しは出来なかったが、即死だったそうだ、本当に死んだのかと少しずつ実感が出てくる。
泣いているお母さんから、なんとか聞けたのが、
かっちゃんは車に轢かれた時に、携帯と、あの批判した〇〇と言う漫画を手に持っていたそうだ。
おそらく俺に見せるために、家から持って来るつもりだったのだろう、俺に見せるために、、、
かっちゃんは怒ってなどなかったと気づくと同時に大粒の涙がどっと溢れた。
その後の事は、あまり覚えていない。
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翌日、心が少し落ち着いた時、ある疑問が湧いてくる、、、、、、
おかしいのだ
なぜ即死だったかっちゃんから、行けなくなったとLINEがきたのか?
そもそも交通事故にあった直後にLINEなど出来るのだろうか?
〇〇と言う漫画を俺に見せるため、家に向かっていたのだから、行けなくなった理由は交通事故と考えるのが自然であろう。
だから、事故の前に、行けなくなったと言う事はありえないじゃないか
あれこれ考えていると、玄関のチャイムが鳴った。
誰か来たようだ、、、、、、、
ピンポンを連続4回
それはかっちゃんと決めていた、ピンポンの鳴らし方だった。
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俺は気づいたんだ
自分の携帯でかっちゃんに昨日、(明日家に来て)と打ったLINEが、既読になっている事に。
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さて、どうしようか
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作者家川徳康