今回は死後の世界、誰もが経験するのに、死ななきゃ分からないという、この難解なテーマについて、極めて私見だけれど、話したいと思う。
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うちには同居する爺ちゃんがいて、子供の頃は、学校から帰ると爺ちゃんが家に居て、野球を教えてもらったり、自然と爺ちゃん子になっていったのだが。
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爺ちゃんは心臓が悪くて、たまに、胸を押さえて「ゔっー」とかなるもんだから、子供の頃はビクビクしたもんだ。
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そんな爺ちゃん、なんだかんだで、80才まで生きたのだが、いよいよお迎えと言う日の病院で、皆が見守る中で、死の淵を行ったり来たりしていた。
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爺ちゃんは、持ち直したほんの少しの間に
「なあ、英二(俺の事)いるか?」
と、俺に話しかけて来た。
俺は爺ちゃんの手を握って
「いるよ、どうした?」
そう優しく声をかけた。
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すると爺ちゃん、こんな事を言いだした。
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「なあ、英二、昔、お前が小学生の頃、リトルリーグで、試合に負けて偉く落ち込んだ時あったろ」
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俺は当時を思い出すように
「ああ、あったな、あれはすごく悔しかった」、それがどうした?
爺ちゃんは続けて
「あの時、英二、幽霊見たろ」
俺は
「ああ覚えてる、白い煙が人の形になって向かってきた、俺は怖くて爺ちゃんに助けてと言ったんだ」
爺ちゃんは目を開いて
「そうだ、、、あの煙、どうもな、爺ちゃんだったみたいだ、今さっきあの時に飛んで行ってきた」
そう言ったのだ。
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俺は一瞬、は?ってなってしまって、爺ちゃん?って声をかけたが、もう爺ちゃんはうわの空だった、何かを呟いてそのまま逝ってしまった。
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少し話がバラバラになるが、その呟いた言葉も気になる。
爺ちゃんは、死に際に、真っ直ぐに天井を見ながら
「はぁ、そうゆう事かぁ」と意味深に呟いたのだ。
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爺ちゃんは死に際にいったい何を見たのだろう?、いったい、あの意味深な、何かを悟ったように呟いた「そうゆう事かぁ」ってどうゆう事なんだろ。
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爺ちゃんは死の淵を彷徨った時に過去に飛んで、子供の頃の俺に会いに来た?
ずっと幽霊だと思っていたあの白い煙は爺ちゃんだったって事なんだろうか。
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少し話を整理すると、ここからは私見だが、人は死の淵で、次元を超越し、想いの深い場面に飛べるのかもしれない、そしてそれが幽霊の正体なのかも。
当時は、あの白い煙がとても怖かったが、今思うと、そう怖くもなかったようにも思える。
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それから、あの死に際の言葉、「そう言う事か」って言葉、普通に考えると、脳内にドパミンが分泌され、よく臨死体験でお花畑だとか三途の川が見えるとか言うあれかと初めは思った。
しかし、幽霊のくだりを考えると、実はそれとは全く別の解釈があるのではないだろうか。
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つまり本当は人が死ぬと次元を超えた存在となり、それが幽霊の正体だと言う事が、今のところ答えって思った。
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幽霊は信じなかった、無神論者でもあるこの僕が、爺ちゃんの死を通じて、見方が変わったんだよね。
だから今は幽霊(次元を超えた存在)を信じる。
とまあ、そんな話
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それからこれは全く余談だが、「おれの目の黒いうちは家督は譲らん、、、」とか時代劇のセリフで聞いた事ある人もいると思う。
あれホント、人って死期が近づいてくると、目の黒い部分が、灰色になるんだよ、爺ちゃん死ぬ直前に目の色が薄くなったからわかった。
だから目の黒いうちは人は死なないって事。
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ひょっとしてこの話にも関係ある?何かのスイッチとか、いやいや余談失礼しました。
END
作者家川徳康