小学校低学年のM君は非常に悪戯好きで、お母さんの靴を隠してしまうなど、事あるごとに悪戯を繰り返していたそうです。
そんなM君はある日、お母さんと小学4年生だったお姉さんと一緒におばあちゃんのお家に行きました。その時期はちょうど雛祭りの頃で、立派な7段飾りの雛人形を飾ってあったです。
M君はついて早速、雛人形の位置を変えるという悪戯を始めました。
手始めに、人形を1体ずつ変えてみたところで、トイレに行きたくなりました。トイレに切って戻ってから悪戯の続きをやろうとしました。
しかし、変えたはずの雛人形が元の位置に戻っています。
「誰かが悪戯に気づいて元に戻してしまったんだ」と思いお母さん、お姉さん、おばあちゃんに尋ねましたがみんな「私は知らない」と言います。
M君は絶対誰かが変えたはずに違いないと思い、もう一度人形の位置を変えてみました。今度は2体ずつ変えてみました。しばらくして部屋に戻って人形の様子を見ると、またも位置が変わっていました。今度こそ誰かが変えたに違いないと思い、家族に尋ねましたが、皆「知らない」の一点張りです。
何度も悪戯を邪魔されたことに、M君は苛つき出し、誰が人形を元に戻しているのか見つけ出してやろうと思いました。雛人形の位置を彼が動かせるものを全て動かし、めちゃくちゃな配置にし、ひな壇がある部屋の前で待ち伏せすることにしました。
M君は、誰が部屋に入るかをじっと待っていました。20分くらい経ったところで眠くなってしまい、うつらうつらとしてしまいました。「犯人を見つけるまでは絶対寝ない」と思い、必死に睡魔と戦いながら、目を開けるよう頑張っていましたが、ほぼほぼ意識を失いかけていました。
すると突然、部屋の中から「ごとごとごとごとっ」ととても大きな音が聞こえてきました。眠気が完全に吹き飛んだM君は、すぐに部屋の中に飛び込んでいきました。部屋の中には誰もおらず、雛人形たちは、皆元の位置に戻っていました。
眠気に負けそうになっていたとはいえ、部屋の中に誰かが入った気配など全く感じていなかったし、音がなってすぐ部屋に入ったのに誰もいないという事態に、M君はすっかり怖くなってしまい、もう位置を変える悪戯はやめたそうです。
作者kkkk
中学の友人の体験談です。ちょっとベタです。