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短編2
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『思い込み』

幼稚園児の頃は思い込みが激しかった。

お魚の切り身はそのまま海を泳いでいると思い込んでいた。

カブトムシはデパートに棲息しているしカブトガニは海に棲息する昆虫だと思ってた。

電車や自動車の動力も全てゼンマイだと思ってた。

バナナもラップ包装された状態で樹から生えているもんだと思ってた。

ある時、恐竜公園で恐竜化石の発掘現場を必死に探していた事がある。

これだけ恐竜が居るのだから化石の発掘現場も公園内に必ずある筈だと思い込んでいた。

探し続けて最後には公園警備員の休憩室の扉を開けてしまった。

何と偶然鍵が開いており疲れていたせいか中でそのまま居眠りしてしまった。

目が醒めるとそこは木々が生い茂る鬱蒼とした熱帯雨林だった。

遠くから鳥や何かの叫び声も聞こえる。

かなり蒸し暑く息苦しい。

地面にハエが集っている。

それは動物の骨の様だった。

骨にわずかにこびり付いた肉の部分にハエとウジムシがタカって動めいている。

「これ、もしかして恐竜の化石?」

まさか本当にタイムトラベルしてしまった?

幼稚園児でも流石に自分の置かれた状況のヤバさを自覚した。

とりあえず気持ち悪いのを我慢して骨を拾って休憩室に持ち込んだ。

息苦しさからか意識が朦朧とし始める。

次に目を醒ますといつも通りの恐竜公園に戻っていた。

骨の肉とウジを公園の水場で洗い流して自宅に持ち帰った。

恐竜の骨だと言って自慢したが当然誰にも信じて貰えなかった。

今でも部屋に飾ってあるけどアレ恐竜の肉って事だよね?

冷凍保存しとけば恐竜のDNAが手に入ってたかも知れないのに惜しい事をしたもんだよね。

Concrete
コメント怖い
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