短編2
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あるいていたら・・・

学生時代に不思議な体験をした。

クラスで仲の良い女子A美と買ったばかりのド○クエ7の話をしながら歩いていた。

昨日はダンプカーに轢かれそうになってマジビビってさ~

A美が何気ない世間話を始めるとA美の真横で俯きながら歩いていた同学年のBが急に顔を上げた。

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「ちがうだろ嘘つくな!おまえはきのうダンプにひかれて死んだだろ!」

真顔でBはいきなり大声を出した。

Bは陰キャで俺は一度も口を聞いた事が無かった。

何のつもりだろうか。

BはA美と喧嘩でもしたのかな?

単に悪い冗談がスベっただけだと思って聞き流したがその直後からA美は何も喋らなくなってしまった。

Bは目をカッと見開いて満面の笑みのままA美の顔をまじまじとねめ付けている。

横断歩道に差し掛かった時にA美が「もう行かなきゃ・・・」と言った。

何を思ったか俺は咄嗟にA美の手を強く握り締めた。

俺達は立ち止まるがBはあの気持ち悪い笑みをこちらに浮かべたままスタスタと歩いていく。

しかしそのままのスピードであればBは目の前にある電柱に後頭部を叩きつけるだろう。

おい電柱・・・あぶねーから前向いて歩けよB・・・

shake

ゴゴゴガキャアアン

直後に響いた凄まじい轟音に驚き俺達は地面に転倒した。

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なっ何だ何だ!?

野次馬が集まって来た。

目を開けると無人のダンプカーが電柱に衝突していた。

後で聞いた所によるとどうやらサイドブレーキの故障らしかった。

A美は泣いていた。

泣きながら「Bくんありが・・・とう・・・ありがとう・・・」そう呟いていた。

翌日、学校でこの話をした。

Bなど誰も知らなかった。

今でもA美とはたまに連絡を取り合ってるけどもBが一体何者だったのかについては何も教えてはくれない。

Concrete
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