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短編2
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とある放課後の出来事

友人の話。

放課後、委員会活動を終えた友人が誰もいない教室で帰り支度をしていると、突然一人の女子生徒が入って来ました。

それは友人が密かに想いを寄せていた隣のクラスの女子生徒で、彼女は周囲を窺うと友人に小さな手紙を渡してきたそうです。

一瞬、ドキリとしながらも友人が何か訊ねたところ、この手紙を一つ上の先輩に渡して欲しいとのことでした。

友人は落胆しながら「自分で渡せばいいじゃないか」と突き返すと、女子生徒は懇願するように「お願い!!ポストに入れるだけでいいから!!」と何度も頭を下げてきたそうです。

友人は仕方なく、その女子生徒の頼みを聞いてあげることにしました。

というのも当時、友人宅のすぐ近所にその先輩の家があって、正直ポストに入れくらい造作もないことでした。

「本当にありがとう!!」

友人は手紙をポケットにしまうと、女子生徒の嬉しそうな瞳を見て、なんだか胸が詰まる思いがしました。

「ただ、絶対に読まないでね」

最後に女子生徒はそれだけ言い残すと、足速に教室を去って行きました。

そんなに読まれたくなかったら自分で渡せばいいのに…

────そして、先輩の家に向かう道中、友人はやっぱり我慢できずに、こっそりその手紙を読んでしまったそうなんです。

だって無理もないですよね。

密かに想いを寄せる女の子が書いた手紙ですもの。

一体どんなことが書いてあるのか気になるのが人間の性というものですよね。

アナタも同じ立場だったら、絶対読んでますよね?

まぁ、それはさて置き───

友人はやっぱり女の子が書いた手紙ですから、可愛らしい文字で「好きです」とか「付き合って下さい」とか書いてあるんだろうな、なんて思いながら、とても複雑な心境で手紙を開いたそうなんです

─────そしたら、そこにはこんなことが書いてありました。

『嘘つき。死ね』

それも真っ赤なボールペンで、まるで読んでしまった自分に向けられてるような恨みの篭った文字で。

「読まなきゃよかった」

────以来、友人はずっと、読んでしまったことを後悔しているそうです。

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