ある晩、私が部屋で一人、受験勉強をしていると、突然窓の外から「みゃーみゃー」って猫の鳴く声がしたんです。
それもかなりの数で、まるで人間の赤ん坊のような声で鳴いてるんです。
私は「盛りの季節かな?」なんて思いながらも、そのまま受験勉強を続けていたんです。
「みゃーみゃーみゃーみゃー」
しかし、そのあまりの騒がしさに私は流石に痺れを切らし、ひょっとしたら大量の捨て猫かも!?なんて思いながら、急いで部屋の窓を開けたんです。
すると、そこには一匹の野良猫がいて、屋根の上で毛ずくろいしてたんです。
しかし、よく見るとその野良猫、全身顔だらけだったんです。
「ぎゃあああ!!」
私が悲鳴を上げると、その一つ一つの顔がこちらを見てぎろりと一斉に睨んだんです。
「みゃーミャーみャーミゃー」
やがてその猫は隣家の屋根の上を飛び越えると、そのまま何処かへ去って行ってしまいました。
作者トワイライトタウン