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短編2
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直感

友人から聞いた話。

私の友人は幼い頃から上手く表現は出来ないけど“直感的”に何かを感じとる力があったと言う。

その直感とは、胸騒ぎに近いものらしく

《もしかすると、この人の命が危ないのではないか?》か感じる事があるらしい。

子供の頃に近所のお爺さんに

「おはようございます」と挨拶した時、お爺さんを見て嫌な予感がしたそう。

“なんだかお爺さん、もうすぐ死んでしまうのでは”

と感じたそうです。

その翌週、お爺さんは亡くなったそうです。

嫌な予感は人だけでなく、近所の家が飼っている犬を見た時もそう感じたとのこと。

やはり、その犬も数日後に死んでしまったそうです。

“まさか”と半信半疑だった気持ちは、同じような経験を重ねていくと、徐々に確信に変わる。

友人が大学生の頃。

バイトから一人暮らしをしているアパートへ戻る途中に踏み切りにつかまってしまった。

遮断器の前で待っていると、隣にスッと現れた中年男性がいた。

その男性をチラリと見た時、あの直感がきた。

“あ、この人もうすぐ死んでしまう気がする”と。

目の前は線路、踏み切り。

目の前で飛び込まれても困る。

咄嗟に友人は男性に声を掛けたそうです。

「あの、突然すみません!すごく失礼な事を言うようですが…あの、その…」と伝えた。

すると男性は笑って

「僕、そんな雰囲気出てます?大丈夫ですよ、飛び込んだりしませんって!」と笑顔で返してきた。

間髪入れずに男性は

「いや〜、でも嬉しいですね。赤の他人なのに心配してくれるなんて」と嬉しそうに言ってきたそうです。

友人は恥ずかしくなってしまい、うつむきましたが、それでも

「ご病気とかもされてないですか?大丈夫ですか?」と聞くと男性は

「…体はね、調子良くないんですよ、病院にも通ってて…」と言ったそうです。

友人は心配でしたが、男性から「病院に通っている」と言われると、それ以上言うこともなくなってしまいました。

すると男性は

「でも、大丈夫です!もう僕は死んでいるので!」

と笑顔で言ってきたそうです。

続けて

「すごい才能ですね、死期が近い人がわかるって事ですもんね〜、生きてるうちにお兄さんと会っていれば助かったのかもしれないなぁ〜」

と微笑みながら、スーっと消えたそうです。

友人は既に亡くなった方と会話をしていたのです。

自分には何か直感的に感じるものはあったにせよ、霊体を見る事は初めてだったので、すごく不思議な気持ちになったそうです。

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