wallpaper:7168
これはあたしが先輩の家に遊びにいったとき
先輩の旦那さんから聞いた話です
nextpage
wallpaper:6032
もうかれこれ20年以上前の話だそうです
当時、旦那さんが付き合っていた彼女と2人でお昼頃ドライブしていたそうです
とくに目的地もなくただ適当にドライブをしていたら
地元で有名な廃旅館の心霊スポットの前を通り過ぎようとしてました
nextpage
「ここ有名な心霊スポットだよ。ちょっと寄ってみる?」
そう旦那さんが冗談で聞くと、彼女さんは意外にもすんなり了承したそうです
その心霊スポットの駐車場に車を停め、2人で車から降りました。
昼間だということもあり、不気味なのは不気味なのですが全然怖いとかは感じなかったそうです
nextpage
2人で建物の中に入ったそうなのですが、ヤンキーが落書きしたり荒らした形跡があるし、全然怖くなかったそうです
「なんかたいしたことないしもう帰ろうか」
そう旦那さんが言い玄関をでたときに横の花壇らしきとこに目が移ったそうです
そこの花壇には真っ赤な花が一輪だけ植えられていました
なんか気味が悪い
旦那さんはそう思ったそうです
nextpage
wallpaper:5620
「ねぇ、来た時こんな花あった?」
彼女さんがそう聞いてきました
こんな真っ赤な花、来た時気づきそうだけど
旦那さんも彼女さんも気づかなかったそうです
「なんか気味悪いねー」
彼女さんも同じ印象だったみたいです
その花の名前はわからないけど、明らかに自然に生えたとかではないし、誰かが植えたのか?なぜ一輪だけ?
考えるほど気味が悪くなり、旦那さんはその花を踏みつけたそうです
そのあとは彼女を家に送って、旦那さんも自分の家に帰ったそうです
nextpage
wallpaper:4436
その日の夜、旦那さんは夢を見たそうです
あの廃旅館の玄関らしきところに立っていて真っ暗な外を見ています
ずっと遠くの駐車場の入り口あたりに人が立ってるのを見つけると体が動かなくなったそうです
ものすごく怖く、その立ってる人はこの世のものではないとなぜか察知したそうです
その人は動くわけでもないのにものすごく怖くて叫びました
そこで目が覚めました
なんだ夢か…
あんなとこ行ったから変な夢見てしまった
ただそう思ったそうです
nextpage
次の日の夜も寝ると同じ夢をみたそうです
廃旅館の玄関に立っていて暗い外を見ています
駐車場の入り口あたりに人を見つけると体が動かなくなり怖くて叫んで目が覚める
起きると汗だくになっていました
また同じ夢を見た…
いや、昨日より人が近づいてた気がする…
昨日の夢では駐車場の入り口あたりだったけど
今日の夢ではもっとこっちに近づいてた
それでもたまたま同じ夢をみただけだ
そう自分に言い聞かせたそうです
nextpage
wallpaper:6221
さらに次の日も同じ夢を見ました。
廃旅館の玄関、真っ暗い外
駐車場の方を見ると髪の長い女のような人
からだが動かなくなり怖くて叫び目覚める
汗ビッショリで目が覚めて、旦那さんは怖くなったそうです
やっぱり近づいてきている!
1日目は駐車場の入り口、2日目はそこからすこし玄関に近づいてたかんじで、今日は髪の長さまでわかる距離まできてる!
でも…夢だし、考えすぎなのかも…
nextpage
次の日彼女さんから電話がありました
「実はあそこに行ってから毎日変な夢をみる」
彼女さんがそう言ったとき心臓が止まるかと思ったそうです
まさか…彼女さんにどんな夢かを聞くと
まったく同じ夢を見ているのがわかり、一気に鳥肌がたちました
「実は俺もまったく同じ夢を見てる」
旦那さんもそう言い、夢のことを話すと彼女さんは泣き出してしまいました
nextpage
彼女さんを落ち着かせ、これからどうするか話をしていると
「私の知り合いに霊感強い人がいるからその人に相談してみる」
と彼女さんが言いました
いつもならそんな人、胡散臭いと思うのですが
今はそんなこと言ってる場合じゃないのでその人を頼ることにしたそうです
彼女さんに連絡をとってもらったら、その日に会ってくれることになりました
nextpage
wallpaper:4839
旦那さんと彼女さんは、その霊感がある人との約束の場所、とあるスーパーの駐車場に行くと
女の人が立っていました。
「あっ、〇〇さんだ」
彼女さんがそう言いました
その霊感がある人は綺麗な女の人でした
その女の人は旦那さんたちをみつけるとすぐ
「あー、女の人が憑いてる。そうでしょ?髪の長い女の人。違う?」
と言ってきたそうです
髪は長いしたぶん女だと思うと伝えると
「んー、なんか怒ってるっぽい。なんか…壊した?」
と言ってきました
nextpage
壊したって、もう俺たちが来た時には荒らされてたよと言うと
「えー?あー、んー、赤っぽいもの…」
そう言われて、すぐに「あっ」と思い出しました
「花踏みつけた…真っ赤な花…」
「それだ!それで怒ってるんだよ。赤い花ならなんでもいいから新しいの植えなおして謝ってきなさい。」
と言われました
旦那さんたちはその女の人にお礼を言って
急いで花を買いにいきました
まだ夕方だし後回しにしたくない
もうあの夢は見たくない
nextpage
花屋さんで赤い花を買って土を掘るように小さいスコップを準備して急いで心霊スポットに向かいました
もうすぐ日が沈みそうなとき廃旅館につき
急いで花壇にいきました
踏みつけた赤い花はなくなっていたそうですが
スコップで土を掘り、買ってきた赤い花を植えました
そして手を合わせ、すみませんでした。すみませんでしたと何回も心で謝ったそうです
「これで大丈夫なのかな」
彼女さんが心配そうにそう言いました
でもあとはどうすることもできないので帰ることにしました
その帰りの車を運転中
ピーピーと旦那さんのポケベルが鳴ったそうです
旦那さんがポケベルをみるとそこには
nextpage
『スコップ ワスレテルヨ』
nextpage
結局あのメッセージは誰が送ってきたのかわからないのですが、それからはあの夢をみなくなったそうです
以上があたしが聞いた
先輩の旦那さんの怖い話です
この話をきいた時ゾッとしたのですが、そのあとに旦那さんが元カノとの思い出を嬉しそうに話すので
先輩の顔が阿修羅になってたのにもゾッとしました
作者あーちゃん