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短編2
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心霊体験の話・お隣さん

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。昔から霊が見えるという霊子です。本当かどうかは私にはわかりません。

子供のころ田舎に住んでいたので、隣の家と言っても少し離れていた。

その隣の家は長く空き家だったのでかなり痛んでいた。が、そこに学校の友達のM子ちゃんが引っ越してきた。

田舎だったし、まだ小学校低学年だったので5時が門限だった。

引っ越ししてきたお隣さんには毎日のように遊びに行っていた。

M子ちゃんと両親、おばあちゃんと弟で住んでいた。

家の中で遊んだ後、門限が近くなるとバイバイと言って帰るのだが、おばあちゃんと弟はいつも外の小屋の前にいた。

おばあちゃんと弟はいつも井桁柄の着物を着ていた。

いつも外にいるので、帰りに外でもバイバイと言って家に帰っていた。でもいつも返事は無く、ちょこんと頭を下げるだけだった。

学校の授業参観の日、M子ちゃんの親と私の親が話をしていたのだが、私がいつも遊んで帰るとき、家の外で必ずバイバイと言うのが不思議だと言っていた。

そんなことが数年続いた後、台風で物置が倒壊するほどの被害が出た。母屋も倒壊しそうだったのでM子ちゃん一家はうちに避難してきてた。

しかし、おばあちゃんと弟はいなかった。霊だったのだ。

いなくなったので幼い私は霊も風に飛ばされるのかなと思っていた。

翌日から近所の人たちが手伝って、倒壊した物置の後片付けが始まったのだが、その中から古いお位牌が2体出てきた。

今のようなきれいなものではなく、木の板に手書きされた粗末な位牌だった。

村で一番古い寺に、そのお位牌を持っていくと明治のころの物では無いかと言われた。

次のお盆に、草履の音がして、いなくなっていた井桁柄の男の子と三角巾を付けたおばあちゃんが帰ってきた。

お帰りって言ったら、おばあちゃんはお辞儀をしてありがとうと言って足元から消えていった。

男の子はさよならと言って手を振って消えていった。

私がいつも帰りに声をかけるときに言っていた「バイバイ」は、たぶん通じていなかったんだろうなと思った。

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