中編3
  • 表示切替
  • 使い方

心霊体験の話・7つの家

これは私の知り合い霊子(仮名)から聞いた話です。

昔から霊が見えるという霊子です。

本当かどうかは私にはわかりません。

separator

nextpage

山口県の山の中の心霊スポットに行った。

その場所は入り口まで普通の舗装道路だったが、そこだけは藪になっていた。

石のブロック塀が壊れている。一番奥の家がやばいらしい。

生臭いにおいを自分だけが感じる場所だった。

7軒以上あったが、7軒の住人が殺されたそうだ。

nextpage

入り口の家から覗くことにした。

1軒目、家の外も中も草が生え、崩れかかっている。

そこの中には小学生の男子が見えた。手招きしている。でも見た目と違い本当は高齢だと思った。

2軒目、屋根がつぶれてる。一瞬だれかがこっちを覗いている。

中には7-8体の霊を感じた。

nextpage

すると覗いている自分の後ろをザザザと何かが横切る気がした。

みんなも気づいて後ろを見る。

だれかが帰ろうかと言う。

でも3軒目までは行こうということになった。

3軒目は黄土色の2階建てで外見はきれいで普通の空き家風。

なんでこの家だけきれい?と思った。

覗いてみたけどここはなにもいないようだ。

見えないけど不気味。気持ちが悪い。

nextpage

すぐ横に4軒目がある。そちらは半壊状態。

すぐ横なのになぜ3軒目はきれいなのか?

そう思っていると、持っていた鞄を引っ張られた気がした。後ろを見ると背が曲がったおばあちゃんがいた。

周りには見えていない。「怒ってる?」と心の中で聞くと首を横に振っていたので、「行くなってこと?」と思うと縦に首を振った。

なので友達にこれ以上先に行かないが良いと言った。

nextpage

でも、霊感が無い、気の強い二人がもっと奥に行くと言って進んで行った。

二人が見えなくなると、しばらくして、ギャーと悲鳴がした。

走って助けに行くと腰が抜けてる状態。

7軒目の家は崖でもないのに家全体が横に倒れて、土に半分埋まっている。

ありえない光景に訳が分からなかった。

友達を支え、帰ろうとして振り返ったら、男の人が見えた。

草切ガマ、ヘルメット、上半身裸。でもみんなは見えていない。

nextpage

慌ててバイクに戻り、エンジンを掛けて走り出した。

信号待ちで、カーブミラーを見たら、一人乗りの子の後ろにくろい靄が見えた。

コンビニによって塩を買い、その靄があった場所に向けて振った。

靄が崩れて落ちて消えた。

帰り着いた後、ネットで調べたら、昭和の初めに息子がおばあちゃんを殺した事件が見つかった。

おばあちゃんは92歳、新聞の写真を見るときれいな家だった。

nextpage

近隣住民も殺されており、自分は鎌で首を切って自殺したそうだ。

その後、先輩が夜、金縛りになったそうだ。

おばあちゃんが追いかけてくる映像が見えた。

「でてくんな」と先輩が言うと

「だから行くなといっただろう」と言われた。

めっちゃ涙が出て、何度も「ごめんなさい。」と言ったそうだ。

nextpage

おばあちゃんは、自分が知らない間に近所が殺されてた。なのでこの家は守ろう。と思ったそうだ。

気になって地元のお寺に行ったら、私の横にいると言われた。

でもおばあちゃんは成仏できたと言われた。

先輩が謝ったので成仏できたのだろうと思った。

nextpage

しばらくして山口県に行く機会が有ったので、その土地の警察に行ってみた。

警察に聞いた話では、きれいだった3軒目の家も屋根が崩れ落ちてたそうだ。

おばあちゃんが成仏したので、守る人がいなくなったのだろうと思った。

【おわり】

Normal
コメント怖い
0
1
  • コメント
  • 作者の作品
  • タグ