犬の散歩1の後日談です。
私は地元を離れ、県外でスポーツトレーナーの仕事をしています。
弟も今年からひとり暮らしを始め、県外の専門学校へ通っています。
そんな弟から、珍しく連絡がきました。
年末年始に帰省するかどうか、についてでした。
私は帰省する日程を伝え、弟と同じタイミングで帰省することになりました。
そして年末になり、久しぶりに私と弟は実家で会うことができました。
家族で夕飯を食べ、グダグダとテレビを見ていると
弟が「そういえば、昔見たっていう老人の話の真相って、伝えてなかったよね」と話し出しました。
私は、真相も何も、老人を見ただけだろ。と思ったのですが、気になったので教えてもらいました。
弟が言うには、その老人は生きている人ではなく、昔からそこにいる霊だということでした。
そして、もし話しかけられたことに対して返答していたら、殺されていたと言われました。
私は、なぜ返答しただけで殺されなければいけないのかと、弟に聞きました。
すると弟は、「俺は、昔からそういうものが見えていて、見えた時の対処方法とかを祖母に教わっていた。その時、町の中で行ってはいけない場所を教えてもらった」と言いました。
※ここからは会話形式で話を進めます。
私「その場所が、あの田んぼなの?」
弟「行ってはいけない場所のうちの1つだよ。
兄ちゃんが老人を見る前に、お婆ちゃんと
犬の散歩に行ったんだけど、その時に散歩中の
注意点として教えてもらった。」
弟「まず、安全な散歩ルートを教えてもらった。
安全なルートからはずれそうになったら
犬を引っ張ってでも、戻れと言われたんだけど、
不思議に思ってなぜかと聞いたら、お婆ちゃんに
じょあそのまま進んでみようと言われたんだよ。
試しに犬の行きたい方についていくと、
物凄い悪寒を感じたんだよね。これは、何なのか
と聞くと、この先にはあまり良くない霊がいる
って話だった。その先にあるのが、兄いちゃんが
老人を見たっていう田んぼなんだよ」
私「なんで、その注意点を僕に教えてくれなかったんだ
ろう」
弟「兄ちゃんも言われてたはずだよ。
当時は、忘れていたかもしれないけどね。
ちなみにその老人は、何を探していたと思う?」
私「メガネとか?」
弟「当時もそんなようなこと言ってたね。
けど、違うよ。」
私「じゃあ、なんだって言うんだよ。」
弟「じゃあ、ヒントとして昔話をしてあげるよ。
俺もお婆ちゃんから聞いたんだけど、昔あの辺り
に老夫婦が住んでいて、ある日家に強盗が入ったら
しい。その時おばあさんが犯人に刺されたらしい
お爺さんは、逃げた犯人を追いかけたんだけど
結局逃げられたらしい。追いかけてる途中、
犯人が凶器を田んぼに捨てるのを見たらしくて、
警察に伝えたんだけど、見つからなかったん
だってさ。お婆さんは、刺された後なくなって、
お爺さんもその後なくなったらしい。
ここまで話せば、分かるよね?」
私「あのお爺さんは、凶器を探してたってこと?」
弟「そういうこと。ちなみに、話しかけられた時
もし返答してたら、犯人だと思われて刺されて
いたと思うよ。生きてて良かったね。笑」
私「笑えないんだけど…
てか、なんでその話をあの時してくれなかった
の?」
弟「祖母が言うには、あの日帰ってきてから兄ちゃん
の話を聞いていたんだけど、凄く嬉しそうに
話をしていたから、魅入られた可能性もあると
思って言わなかったらしいよ。
俺も口止めされてたし」
私「…」
弟「兄いちゃんは、怖い話とか好きだけど、そういう
場所に本当に行くと何が起きるか分からないから
気をつけた方がいいよ。特に心霊スポットに
なっていない所には注意した方が良い。
心霊スポットは、過去に行った人が持ち帰って
いる可能性があるけど、そうじゃない場所は
何がいるか分からないから。」
私「ちなみに、この辺だと他にどこが危ないの?」
弟「母校とか、〇〇橋とかかな。
あ、あと老人を見た帰りに犬が行こうとしてた
道の先もそうだよ。よく行かずに帰ってきたね。」
ここまでが、弟に聞いた真相です。
もしかしたら、読んでいる皆さんには怖くないと感じる
かも知れませんが、私としてはかなり怖い後日談でした。
犬や猫などの動物は、そういった場所を避けるイメージがありますが、興味を持って近づいてしまう場合もあるようです。
皆さんも、どこに危険な場所があるか分からないので、直感的にヤバいと思ったら避けることをオススメします。
今回の話は、以上になります。
もしかしたら、弟の体験談なども投稿するかもしれません。その時は、読んでいただけると幸いです。
長文駄文失礼しました。
作者ゆゆ