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短編2
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残照の鴉

高校の時に仕事紹介のようなやつで自衛官への仕官のがありそれがきっかけで俺は航空自衛隊に入隊していた。

子どもの頃は大人になったら会社員でもやるんだろうなと思っていた。

世の中わからないなと思う。

今の俺はF-2 ヴァイパーのパイロットをやっている。

きつい仕事だが実りはいい。

ただ、ここ最近はこの空で不可解な話がある。

毎日ではないが夕方になるとカメラにも映らず、レーダーにも反応せずで夕日を背にSu-33かSu-35かはっきりはしないがフランカータイプの機体が突然に現れ夕日が沈む頃まで飛び続けるというのだ。

夕方が沈むと忽然と姿を消すらしい。

目視でしかそれもスクランブルのかかった機体からでしか見えないという不可解さだ。

上層部の連中はこの事を公にはしていない。

かの国は飛ばしてないの一点張りだし実際に見たやつの証言しかない為に動けないのだろう。

その黒い機体に近づいたパイロットの話によれば横に並び引き返せのサインをだしても無反応でコブラだがクルビットで背後を一瞬にして取られたという。

背後を取ったそいつは何もするでもなく数分の間をそうしていて離れたらしい。

攻撃しようにもレーダーに反応しないしガンしか使えないにも関わらず捉えられないって異様だ。

ある日の事、大陸の機体5機が日本の領空内に領空侵犯してきた日があった。

その日、俺がスクランブルで出てそいつらのとこまで行き警告を出そうと近づいたんだ。

すると夕日を背に奴が現れた。

今日の奴は少し違ったんだ。

奴は領空侵犯した機体の内2機を一瞬で鉄屑に変えて残りの3機も朝飯前のように食っちまった。

話に聞いていた以上に奴の機動は凄まじかった。

あんな動きは人のなせる技じゃねぇ、化け物じゃねぇか。

そう思っていると奴は俺の後ろにいつの間にか居た。

やられる…。

だが奴は何もせずそのまま俺を越していき夕日の彼方へと消えていった。

どっと疲れた俺は領空侵犯機が奴に堕とされた事と奴が消えた事を伝え帰投した。

この後の報告書やらを考えると気が滅入ってくる。

にしても奴は一体何なんだろうか、あの無反応さといい人が本当に乗っているのだろうか。

それに夕暮れに飛ぶその姿はまるで鴉だなと思えた。

またいつか奴と出会うことがあるんだろうか、もし出会うならば声くらい聞きたいものだ。

Concrete
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どなたからかコメントいただいたようなのですかバグか見えずです。
ともあれ、コメントしていただきありがとうございます。

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