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短編1
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視線

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 大学入学と同時に、大学の最寄り駅から少し離れたところにあるかなり古いアパートの一室を借りて、一人暮らしを始めた。慣れない家事やバイト、大学の勉強で忙しい毎日だった。そんな俺の生活を心配したのか、時々隣に住むYさんが食べ物を分けてくれた。

それも運のいいことに、ちょうどそのとき必要になるものばかりだった。後日お礼を渡しに行くと、「お礼なんていいよ。ここに住んでいる人はみな家族のようなものだからね。」と言っていた。本当に優しい人だった。このアパートにしてよかった、と思っているが、一つだけ気になることがある。

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夜遅くに、時々窓から視線を感じることがあるのだ。でも、このアパートの窓は、防犯のために全部すりガラスにしているから、こちらの様子はあまり見えないと思うけどな。まあ、気のせいだと思うけど。

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