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「あいうえお怪談」 番外編          ショート怪談「が行」5作品

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「あいうえお怪談」 番外編          ショート怪談「が行」5作品

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「あいうえお怪談」

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番外編 ショート怪談「が行.・が~ご」5作品

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濁点も50音に入ることに気づき、急遽5作品をあげてみました。

箸休めにでも、お楽しみいただけましたら、幸に存じます。

では、どうぞ。

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第24話「がまん大会」

がまん大会にがまんして参加して、がまんにがまんを重ねて、ついに優勝した。

でも、翌日、その人は死んでしまった。

みんな、泣きたいのをがまんして、お葬式をした。

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第25話「銀行員」

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僕のおじいちゃんは、認知症だ。徘徊しては、道に落ちているものを何でも拾って持ってくる。ある日、銀行員を名乗る男の人が訪ねてきた。未納料金があるから、代わりに払ってやるからと言った。おじいちゃんは、拾ってきた「赤いカード」を渡したらしい。

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おじいちゃん、だめだよ。その男の人、殺されちゃったじゃないか。

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第26話「グッジョブ」

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四六時中「死にたい。」と訴える男がいた。ある日、道を歩いていると、飛び降り自殺を試みた若い女が、男の頭上に激突した。女は運良く助かったが、下敷きになった男は、瀕死の重傷を負っていた。男は、息を引き取る前に、駆けつけた職場の同僚に呟いた。

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「ちぇっ、人のために死にたくねぇよ。」

同僚は、打ち消すように叫んだ。

「グッジョブ。安心しろ。天国へ行けるぞ。」

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第27話「ゲジゲジ」

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私の住む地元では、「ゲジゲジ」が出没する家には、「幽霊」が出る。もしくは、「ゲジゲジ」=「霊界の使い」との言い伝えがある。最近になって、我が家でも良く見かけるようになった。

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「霊界の使い」とはいえ、正直、台所や浴室を這い回られるのは、衛生上良くないと判断した私は、「ゲジゲジ」対策用虫よけ剤を家中に撒いた。効果てきめん、以来、10日余り経つが、「ゲジゲジ」もGも這い回るものは全て見なくなった。

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一昨日、久しぶりの連休とあって、深夜まで投稿作に没頭していたら、珍しく「家鳴り」と「人ならざるものの気配」がした。キーンと耳鳴りまでしてきた。

う~ん。しばらく悩んだのだが、虫よけ剤を撤去することに決めた。「ゲジゲジ」には遭遇していないが、少なくとも、今年いっぱいは、これで過ごそうと思う。

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第28話「ごんぎつねと幸福の王子」

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幼少期、私は、随分手のかかる子どもだったらしい。母は、出来るだけ早く社会性を身に付けさせたくて、3歳の誕生日前に、幼稚園に入園させた。

幼稚園では、情操教育の一環として、定期的に絵本の読み聞かせを行っていた。

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「ごんぎつね」(新美南吉作)の読み聞かせの後、急に塞ぎ込んだ私は、3日3️晩泣き続け、食事も摂らず、「ごん」が可愛そう。と泣いてごねって大変だったらしい。

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「幸福の王子」(オスカー・ワイルド作)を読み聞かせた後は、物語のラストに酷く憤慨し、いきなり外に飛び出すと、玄関の前に立ち、車道を走る車に向かって、「神様は、酷いことをします。せっかくいいことをした王子様とツバメさんを助けてくれなかったんですよー。」

と大声で叫んだのだという。

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夜の帳が降りる頃になると、突然、「胸が苦しい。」「眠れない。」「眠りたくない。」と騒ぎ出し、それが明け方まで続くというのだから。親としては耐えられない状況だったに違いない。

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以来、絵本の読み聞かせは、暫くの間休止となった。その代わり、年少さんには、保育所のような「お昼寝」の時間が設けられ、「困ったちゃん」の私も、なんとか落ち着きを取り戻したとのことだった。

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あの頃の私の形相について、母は、次のように語っていた。

「眼は釣り上がり、鼻筋は、つんと高く上を向き、とても尋常には見えなかった。」

「写真にでも撮って置けばよかったと今でも思っている。」と。

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