中編4
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カラオケ

高2の春休みでした。

休み中でしたが学校に行く用があり自転車で学校に向かいました。

学校の近くに住んでいる友達Kと待ち合わせし、用も午前中には片付きました。

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K『今日、この後どうする?暇?』

私『うん暇!遊ぼうよ!』

K『カラオケの割引券持ってるからカラオケでも行く?』

私『行きたい!行こ行こ!!』

こんな会話をして、私はKとカラオケに行くことに。

この日Kが持っていた割引券のお店は、初めて行くお店でした。

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自転車を漕ぎながら

『今日は○○歌ってみよう』『○○のPVが観たいな~』と、私たちは盛り上がっていました。

しかし、あと10分くらいの所で、私は急に寒気がしてきたのです…。

この日は春のポカポカしたいい天気で、決して気温が寒くてとかではありません。

『風邪でもひくんかな…』と、最初は自分の体調が少し悪いのかと思いました。

しかしそれはお店に近づくにつれて酷くなり、自転車のハンドルを持つ手がガタガタ震え、今まで経験したことがないような感覚でした。

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そしてお店の前に着いた時は全身に鳥肌がたち、カラオケに入ると言うより何か恐ろしい所に行くような感じ。

店内はもの凄く寒く感じ、Kに

『寒くない?』

と聞いてみましたが『寒くない』とのこと。

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部屋に向かう途中、

K『………あたしの友達、今日ここでバイトしてるはずたったんだけど…レジに居なかったからやっぱ辞めたんかな…』

と呟き、

私『その子に割引券もらったん?後でお礼言っといて』

私がそう返すとKが渋い顔をして

K『うん…うちらの部屋の隣、103号室になるよね?』

私『多分そうじゃん?102だから…何で?』

K『………………………』

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K『本当かわかんないんだけどさ…、ここでバイトしてた子の話だと出るらしいんだよね、ここ。

特に103号室はお客さん入ってないのに周りの部屋から壁を叩いてくるって苦情来たり、誰も部屋に居ないのに部屋の電話からのコールが鳴るんだって。

スタッフの中には火傷で皮膚が真っ赤な女がお店の厨房を徘徊してるのを見た人もいるって…。

カラオケになる前の店舗の時、火事になったって噂なんだ…』

この話を聞いて、『早く言えよ!』と突っ込みたくなりましたが、さっき自分が感じた寒気やら鳥肌やらが納得できました。『ああ、来ちゃいけなかったな』と後悔もしました。

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しかし来てしまったものは仕方ない…

とりあえず部屋に入り歌うことに。

歌うことで気を紛らせたかったのもあったかもしれません。

何曲か歌い、最初のうちは普通に過ごしていました。

しかし30分も経たないあたりでした。

トン…トン…トン…トン…トントントントン…

何か音がしてる。Kが歌ってる最中もずっと聞こえる音…

Kが歌い終わって、部屋が静かになってもやっぱり聞こえました。

トントントントン……トン…トン…

私『どっから聞こえる?』

K『…隣…103から…?』

私たちは自然と体を寄せ合うようにソファーに座り、カラオケどころじゃありませんでした。

壁を叩く音は次第に強くなり、壁に取り付けてある電話の線が揺れているのがわかりました。

そしてその時、電話の下に大きな穴が空いて、それをガムテープでガッチリ塞いであることに気付きました。

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何かもう気持ち悪いのと怖いのと…

帰ろうか切りだそうと思った時、

歌を入れてない間流れている番組の音量が急に小さくなり、あれ?っと思ったら、今度はマイクが大音量でキーーーン!!と鳴り、私たちはパニック状態。

すると

『キーーーーーンーーぅあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"!!』

とマイクの音とは思えない、絶叫のような声が流れ、私たちは飛び出すように部屋から出ました。

フリータイムで入ったのにも関わらず、部屋を変えてもらうとかも考えつかない、ただ私たちは帰ることにしました。

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その日から私は何となくスッキリしない日々を送り、休み中ゴロゴロテレビを見てばかりでした。母が

母『洗濯物はない?』

と聞いてきたので

私『うん、ない…』

そう答えて母の方を見ると、

細い子供の足だけが、母の後ろにピッタリくっついて後を追って行くのが見えたのです。

膝より少し上までしかない、足だけがタタタタタッと…

私は何か恐ろしいものを連れてきてしまったんじゃないかと怖くなりましたが、幸せなことにその後何もありませんでした。

ちなみにKの友達は、私たちが行く前日に辞めていたそうです。

そして、そのカラオケはその後潰れ、また違うカラオケになりました。

お祓いをしたそうなのでもう大丈夫みたいです。私はもう行きませんが…

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