短編2
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引き摺る女

別の地域に住む2人の男性からよく似た話を聞いた。

関東に住む大学生が夏休みに友人達と東北地方の旅館に泊まった時のこと。

夜中に「ズルズルズル…」と何かを引き摺る音がした。目を開けると全裸の女が友人の1人の足首を掴んで何処かへ連れて行こうとしていた。暗くてしっかり確認したわけではないが、髪はぼさぼさで腰まで伸び、肌は青白く、所々爛れていた。

咄嗟に「おい!」と声を出すと、女は友人から手を話してすーっと消えていった。

その声に他の友人達も目を覚ます。

訳を説明するが「夢でも見てたんだろ」簡単に片付けられてしまった。

彼曰く、「きっとあの女は男好きの幽霊で、友人を連れて行って弄ぼうとしていたんだ」

バイクで日本一周目指していた男性の話。

九州から出発して東北のある地方までやって来た時のこと。

その日の夕食をコンビニの弁当で済ませて、テントを張ってすぐに眠りに就いた。

「ズルズルズル…、ズルズルズル…」

何か引き摺る音がして目を覚ます。見るとそこには全裸の女が彼の足首を掴んで引き摺っていた。

「おい!やめろ!離せ!」

彼はそう言って暴れると、女はすぐに手を離してすーっと消えていった。

一体何だったのか。後ろを見るとテントから約50メートル程も離れていた。

念の為彼にその女の特徴を訊いてみた。

「全裸で、髪の毛はぼさぼさで、肌は青白くてなんか爛れてましたねぇ」

この女は一体何が目的で男を引き摺るのだろうか。

それぞれ別の場所に住む2人の男性から聞いた、同じ特徴を持つ幽霊の話だ。

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