短編1
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親父

おかんが死んでから今まで、親父と2人暮らしだった。

3日前、おかんの3回忌だった。

俺は気分を変えようと、居間の壁をやり変えたんだ。

左官の仕事をしてるから、1日で綺麗に仕上がったよ。

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あれから3日が経った。

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なんでだよ!?

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家に帰って電気を付けると、親父が居間に座ってる。

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どうしちまったんだよ!?

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真っ暗なテレビを、ただ、ぼぉーっ眺めている。

なんなんだよ…。

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俺は、シャワーを浴びながら頭を抱えた。

あれから3日間、俺が仕事から帰ってくる度に、親父はあの調子で居間に居るんだ。

本当にどうしちまったんだ…。

俺はもう、限界だよ。

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仕事と、痴呆が進んだ親父の介護。

俺は3日前に、限界を超えてしまった。

寝てる親父の首を、この手で…。

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それから、あの壁に埋めた。

なのに…。

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なんでだよ!?

なんで居るんだよ親父は!?

どうしちまったんだ、おれの頭は!?

なんなんだよ…。

…わかったよ。

おれもそっちに逝くから、許してくれよ親父。

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その後、警察によって、居間で首を吊って死んでいる男性と、居間に座った状態で死んでいる男性が発見されました。

調べによると、2人はこの家に住む親子で、事件性は無いとの事でした。

古くなって汚れた壁や、散らかっていた家の様子から、介護に疲れた息子が自殺、介護者がいなくなってその後、親が死亡したのではないかとみて、警察ではさらに、詳しく調べています。

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ちゃあちゃんさん、ありがとうございます!!
人の世は、悲しい事が多いですから。
それでも生きていかねば…。

私が先に死んだばかりに…と亡くなったお母さんがあの世で悲しんでいそうで、何だか切ないです。