中編3
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駄四季童

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ガタン・・・

店にグラスを置く音が響き渡る

それもそのはずだ、今日は大雨。

こちらの方は今日は大切な唯一

飲みに来てくれたお客様だ

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俺は、すかさず

「雨止みませんね~」

と、会話を持ち出す

お客も、

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「梅雨だしな、にしても降るな」

と一言。それに対し

「台風並ですよね、せっかくの

ジューンブライド、月末に結婚式

予定してたキツネさんはご愁傷さまですよ」

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俺なりの、渾身のジョークで返すと、

お客も

「確かに、キツネも一杯食わされたな」

と、なかなかの返答を返してくれた。

するとお客の方から、

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「なんだ、妖怪とか好きなのか?」

と話題を提供して頂いた

「えぇ、好きですよ、OOさんはこの辺の

方じゃないんですよね?」

「あぁ~OOだ」

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あまりにも具体的地名を言ってきたので

少し、その会話もしたが、ここでは省く。

顧客情報になるんで、言えないのが

申し訳ない、ただ、とりあえず田舎の部落

まではいかないがそれに近い集落らしい。

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そして、そこに伝わる話を教えてくれた

(書いてませんが俺は相槌してます)

客「座敷童っているだろ?」

「いますね、幸せを運ぶとかいう・・・」

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客「んにゃ、違うんだ、あれは本当は」

客「『駄四季童』つぅ~てな、山の神様の子供なんだ」

客「でな、山の神様が実りをつけに山に行くんだけど、

子供は祠でお留守番な訳さ」

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客「山の神様が必死に頑張って下さって、毎年豊作豊作で

俺らは生活出来てたのよ」

客「でもな、ある日、近所の馬鹿がその祠に、

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トラクターで突っ込んだよ」

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客「祠もな、木くずになっちまってぇ~」

俺「どうしたんですか?祠?」

客「いや、どうもねぇ、すぐ準備出来るもん

じゃねぇ~し、近くの神社にぐうじゃ(宮司のことか?)

に頼みこくって、一時保管してもらったのよ」

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俺「なるほど、じゃあとりあえずは事なきを・・・」

客「いや、そこがな、その年を境に米の収穫が伸び悩ん

じまってな、神様のお怒りに触れっちまったんだ」

客「オラらも急いで祠を建てて、お怒りをおさせて

もらおうって思ったんだがな、一向によくならん」

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俺「それは困りましたね・・・」

客「んだ、でもなオラ達も死活問題だから、考えて

立派じゃないけど、軽い鳥居とか作って誠意を

見せればって考えたんだ」

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客「で、作ったがさらに悪化し、オラらも途方に

くれたんだ、でどうしたと思う?」

俺「作る穀物変えたんですか?」

客「バカか、そんな簡単に穀物変えられるか!

話したろ、駄四季童って」

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俺「聞きましたが、どうするんですか?」

客「つまりだな、あの時駄四季童が死んで

神様を怒らしてるんだよ」

客「だったら、返せばいいだろ?」

俺「意味が少し分かりませんが・・・?」

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客「{こども}って漢字分かるだろ?

子を供えるって書くだろ」

客「だから、毎年子供を山の神様に

お供えして埋めてたんだよ」

俺「いやいや、まさか・・・」

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客「ははは・・・人形の話だよ」

俺「ですよね~ビックリしましたよ」

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客「まぁ20年くらい前までは人形

じゃねぇかったんだがな」

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座敷わらしの話のパターンは、地域ごと国ごとに幾つもありますね。