短編1
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高校怪談 ②黒猫

 土曜日の下校時間。

 川沿いの土手に黒猫の死骸が転がっていた。生後半年くらいだろう。潰された目に剥き出しのあばら骨。鼻からは血が流れていた。

 夜、寝付けずに天井を眺めていると部屋の外で猫の鳴き声がした。そっとドアを開けると、足元から何かが部屋に入ってきた。明かりを付けて探したが何もいない。ベッドに潜ると、顔に液体が滴ってきた。ぬるりとしたそれは鉄錆の臭いがした。見上げると天井に赤黒い染みが広がっていた。

 日に日にそれは形を変えて、猫の姿になった。毎夜滴る赤黒い液体も気にせずにいたら、いつの間にか染みごと消えていた。

 問題は、それ以来鏡に映る僕の顔が黒猫になっていることだった。同級生の久那戸ミコだけが気付いて、僕を須崎ではなく猫崎と呼ぶようになった。

 彼女がそれにも飽きて、実家の神社でお祓いをしてくれたのは一か月も後のことだった。

「これでやっと解放されたよ、ありがとう」

彼女は僕をじっと見て、笑いを噛み殺しながら言った。

「いいの。気にしないで、魚崎君」

Concrete
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