ラストです
ある夜、俺はずっと起きていた。妹を見張る為に…
ガチャリと音がして、夜中妹がトイレに行った途端部屋に浸入した。
絶対何か隠してる…先輩と…?援交サイトとか見てたり…いや、それはない。あんな純情な妹に限って。馬鹿だ俺は。最悪な男だよ。そんな考え…
パソコンを開け、履歴をチェックした。
「…!?」
真っ黒の背景に、無数の俺の写真。なんだこれは…
○月×日
今日、風呂あがりのワンショット。入浴剤の桃の香りを纏わせながら、火照った顔。ミネラルウォーターをこぼしながら飲む姿…
○月×日
悲しい事があったみたい。体を自分で抱き締めながらボロボロ泣いてる。小さな声で、オッサンがオッサンがと呟いてる
○月×日
誕生日。みんな、祝ってあげてね!
え、なにこれ
…半裸の写真や泣き顔、笑い顔。
え…え?
「お兄ちゃん…?」
ビクッと反応して振り替えると、無表情の妹がいた。
「…これ…何?」
「見ちゃったんだ…」
ファンと自称する男達が、興奮気味で食べたいだの、もっと泣かせたいだの、それ以上な…もう見たくもないコメントが無数に画面上に広がっている中、俺たちは無言になった。
「だって…お兄ちゃん格好良いんだもん!だから、沢山の人たちに広めたいの。自慢したいの!そうしたら自然と変なファンが集まってきて…」
「ここに、パンツ1枚○円、体操服○円って書いてるんだけど…?」
「私、お兄ちゃんの事ちょっと変態的に愛してるから」
そうか…
「…感動したよ」
こんな日記を毎日つけて公開するほど、妹は俺を愛してるのか。
だったら、最近しょっちゅうストーカーしてくる奴らも無視出来る。
しかも、こんなに毎日毎日余すことなく欠かさず写真撮って
「…嬉しい」
「え?」
「俺もお前の日記書くよ。写真も沢山撮る」「いや…え?」
「大丈夫。変なストーカーついても、四六時中俺が側にいるから安心だよ。学校も毎日迎えに行くし、休みの日もずっと遊んであげる。その方が嬉しいだろ?卒業したら俺が養ってやる。ずっと家に居れば良い」
静かに妹は首を振る。
「…いや」
「…これから、ずっと一緒だよ」
ああ…これでようやく俺の物に出来る。でもね、自業自得だよ?
愛してる…誰よりもね。
怖い話投稿:ホラーテラー 家さん
作者怖話
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