とある釣り人が、港で夜釣りをしていたときのことです。
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もう夜中の12時を回っており、釣り人は肌寒さを感じながら釣り糸を垂らしていました。
ふと前方を見ると、少し離れた場所の突堤に男女のカップルがいました。波が足元にかかっており、女のほうが頭ひとつ分ほど背が高いようです。
こんな時間にデートか? といぶかしく思って見ていると、その二人はおもむろにキスをしました。
さすがにそれを見るのはよくないと、釣り人は眼を背けました。
しばらくして視線を戻すと、突堤に女の姿は無く、男のほうがコンクリートの上に倒れているのが見えました。
どうしたのだろうとそこまで走っていき、大丈夫か、と声をかけようとしたとき、その異様な状況に気がつきました。
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男は口から大量の血を吐いており、それが水溜りのように広がっていたのです。
男は、舌を抜き取られていました。
作者カワゴエ