【ある日、面白いサイトを見つけた。
内容は怖い話を投稿するサイト。
投稿した話にはコメントなどが付き、賛否両論の声があがっていた。
このサイトの魅力は登録すれば誰もが、作者になれることだった。
俺は試しに、自分の創作話を投稿することにした。
内容はこうだ。】
___俺は27歳、独身、男。
休みの日は大抵、ネットでチャット等をしている。
その日は朝からチャット仲間と掲示板に移り、怖い話を投稿して、盛り上がっていた。
すると、見知らぬ名前から《どこにいるの?》と投稿されていた。
誰でも入れる掲示板だったので、皆最初は誰かのイタズラだと思った。
しかし、数分置きに《どこにいるの?》と投稿されている。
流石に、みんな怖い話をしていただけに気味が悪くなり、いつものチャットに戻ることにした。
チャットには仲間しか知らない鍵が設定されているので、誰も入ってくる心配がなかった。
数十分経ってから、ふと先ほどまで見ていた掲示板が気になった。
開いてみると、《どこにいるの?》と相変わらず投稿されていた。
しかし、一番最新の投稿が《Aくんどこにいるの?》に変わっていた。
Aくんとは俺の本名だ。
チャット仲間には水谷という名前で通している。
掲示板でも本名なんか載せていない。
俺の知り合いか?
そう思い、《誰?》と投稿した。
すると、《ああ、そこに居たのね》と投稿された。
何だコイツと思ったのもつかの間、《今行くね》という投稿が、ズラーっと並んだ。
(コレ、マサカ幽霊?)
そんなバカな。
心霊スポットにでも行った訳でもなく、ネットで怖い話を語っていただけである。
しかし、俺の頭の中は非現実な妄想で溢れかえった。
と、同時に油汗が溢れ出た。
ヤバイ、ヤバイ、ヤバイと思いチャット仲間に助けを求めるが、所詮ネットだけの繋がりである。
心配はしてくれているが、気休め程度にしかならない。
普段からネットしかしていないため友達という友達がいない。
慌てて電話帳から少ない友人を探して片っ端から電話しようとした。
繋がらない。
何故か圏外になっている。
(オカシイ、ナンデ圏外ニナッテイル?)
その時、ピンポーンと玄関のチャイムがなった。
恐る恐る覗き穴から外を見ると、若い女性が立っていた。
上手く見えないが、可愛い感じがした。
先ほどまでパニック寸前だったため、誰かと少しでも一緒なら気が紛れると思った。
一瞬マジで幽霊来た?!とも思ったが、よく考えるとそんな非現実的な事が起こる訳がない。
それにまだ昼前だ、例えコレが心霊現象だとしても、幽霊までは現れないだろうとたかをくくっていた。
すっかり気を許し、隣に引っ越しに来るのかな?と考えながら玄関を開けた。
すると、先ほどまでの姿はなく、皮膚はドス黒く変色し、髪は濡れて、この世のものではないものが立っていた。
ガッと手首を掴まれ、『み゛ぃづげだ』
俺はそこで気を失った。
気がつくと、夕方になっていた。
俺は家を飛び出して、実家に戻った。
掴まれた後のついた手首を見ないようにして…。
【以上、初めてにしては頑張ったかな?(笑)
コメント欄に早速コメントしてくれてるし!嬉しいわ~。しかも真似までしてくれて、《今行くね》て。
ありがとう。
でもさっきから玄関のチャイムが鳴ってるわ~。
面倒いから居留守してたけど、鳴り止まないから出てくるわ。
誰だろ、インターホンのモニターで見た感じは可愛い若い女性だ。】
作者natu