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短編2
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雪の日の怪

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これも私の友人のSの話

Sが体験した中で1番やばいと感じた話を教えてくれた。

Sが小学生のとき隣の集落にある

友達の家に1人で遊びに行った

私たちの地元は北陸の山奥で

隣の集落に行くには山道を30分ほど

歩かなくてはいけない

季節は冬

牡丹雪と呼ばれる大きな雪が降り積もる中

Sは友達の家から歩いて帰っていた

時刻は5時頃

辺りは暗くなり始めていて

周りには誰もいない

サクサクと雪を踏む音が響く中

Sはなぜか後ろが気になり始めた

そのときの感覚はなんというか

異様に寒いのだ

冬の寒さとはまた違う気持ち悪さ

独特の寒気がした

何度も何度も後ろを振り返るが

何もないしもちろん誰もいない

Sはまた歩き始めた

そのうちにサクサクと自分が

雪を踏む音に混じって

もう一つの足音が聞こえてきた

なにかいる

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自分についてきている

感覚的にそれがこの世のものでは

ないことがわかった

相変わらず嫌な寒気がまとわりついてくる

どれくらい歩いたかわからないが

ある地点から嫌な寒気や足音が消えた

そして山道を抜けたすぐ先にある

自分の家の門が見えてきた

Sは心底ほっとした

今まで体験した中でも

1番気持ちの悪い気配

あんなのがずっとついてきていたら

自分はどうなっていたんだろう

Sはそんなことを考えながら

自分の家の門をくぐった

安心して後ろをふりかえったSは

shake

music:3

点々と続く自分の足あとの真後ろを

追うようにしてついている別の足あとを

見てしまった

そこからどうやって家に入ったのか

Sはもう覚えていない

今でも真っ白な雪の中に

点々と続く二つの足あとの光景を

思い出すとぞっとするという

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