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これも私の友人のSの話
Sが体験した中で1番やばいと感じた話を教えてくれた。
Sが小学生のとき隣の集落にある
友達の家に1人で遊びに行った
私たちの地元は北陸の山奥で
隣の集落に行くには山道を30分ほど
歩かなくてはいけない
季節は冬
牡丹雪と呼ばれる大きな雪が降り積もる中
Sは友達の家から歩いて帰っていた
時刻は5時頃
辺りは暗くなり始めていて
周りには誰もいない
サクサクと雪を踏む音が響く中
Sはなぜか後ろが気になり始めた
そのときの感覚はなんというか
異様に寒いのだ
冬の寒さとはまた違う気持ち悪さ
独特の寒気がした
何度も何度も後ろを振り返るが
何もないしもちろん誰もいない
Sはまた歩き始めた
そのうちにサクサクと自分が
雪を踏む音に混じって
もう一つの足音が聞こえてきた
なにかいる
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自分についてきている
感覚的にそれがこの世のものでは
ないことがわかった
相変わらず嫌な寒気がまとわりついてくる
どれくらい歩いたかわからないが
ある地点から嫌な寒気や足音が消えた
そして山道を抜けたすぐ先にある
自分の家の門が見えてきた
Sは心底ほっとした
今まで体験した中でも
1番気持ちの悪い気配
あんなのがずっとついてきていたら
自分はどうなっていたんだろう
Sはそんなことを考えながら
自分の家の門をくぐった
安心して後ろをふりかえったSは
shake
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点々と続く自分の足あとの真後ろを
追うようにしてついている別の足あとを
見てしまった
そこからどうやって家に入ったのか
Sはもう覚えていない
今でも真っ白な雪の中に
点々と続く二つの足あとの光景を
思い出すとぞっとするという
作者沙桐
Sは今までも何度か怖い思いをしていますが、
これが1番気持ちの悪い気配だったそうです。